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令和5年版厚生労働白書 全体版 (221 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

象となっていない物質を起因とするものが約 8 割を占めている。これらの状況を踏まえ、
2022(令和 4)年 2 月及び 5 月に労働安全衛生関係法令の改正を行い、2023(令和 5)
年 4 月、2024(令和 6)年 4 月に順次施行する予定としている。
・化学物質を譲渡・提供する際の容器等へのラベル表示及び安全データシート(SDS)

国の GHS 分類において危険性・有害性が確認された全ての化学物質をリスクアセス
メント対象物に順次追加し、最終的には約 2,900 物質となる予定。

・リスクアセスメント対象物の製造、取扱い又は譲渡提供を行う事業場ごとに、化学物
質管理者を選任し、化学物質の管理に係る技術的事項を担当させる等の事業場におけ
る化学物質に関する管理体制の強化
・化学物質の SDS 等による情報伝達について、通知事項である「人体に及ぼす作用」
の内容の定期的な確認・見直しや、通知事項の拡充等による化学物質の危険性・有害
性に関する情報の伝達の強化
・事業者が自ら選択して講ずるばく露措置により、労働者がリスクアセスメント対象物
にばく露される程度を最小限度にすること加えて、一部物質については厚生労働大臣
が定める濃度基準以下とすることや、皮膚又は眼に障害を与える化学物質を取り扱う
際に労働者に適切な保護具を使用させること等の化学物質の自律的な管理体制の整備

働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など

質(以下「リスクアセスメント対象物」という。
)を、新たに 234 物質追加(今後、

2



等による通知、製造し又は取り扱う際のリスクアセスメントの実施の義務対象化学物



具体的な改正内容は以下のとおりである。

・衛生委員会において化学物質の自律的な管理の実施状況の調査審議を行うことを義務
付ける等の化学物質の管理状況に関する労使等のモニタリングの強化
・雇入れ時等の教育について、特定の業種で一部免除が認められていた教育項目の全業
種での実施の義務付けや、職長等に対する安全衛生教育が必要となる業種に「食料品
製造業」
、「新聞業、出版業、製本業及び印刷物加工業」を追加するなど、化学物質等
に係る安全教育の拡充
・化学物質管理の水準が一定以上の事業場に対する個別規制の適用除外
・作業環境測定結果が第三管理区分の事業場に対する作業環境の改善措置の強化
・作業環境管理やばく露防止対策等が適切に実施されている場合における有機溶剤、
鉛、四アルキル鉛、特定化学物質(特別管理物質等を除く。)に関する特殊健康診断
の実施頻度の緩和

(2)石綿(アスベスト)対策の適切な実施

石綿*20 製品については、2006(平成 18)年 9 月から、輸入や国内での製造等を禁止し

ており、代替化が困難であったため製造等禁止の措置を猶予していた一部の特殊な製品に
ついても、2012(平成 24)年 3 月には代替化が完了し、製造等は全面的に禁止されている。
一方で、石綿の製造等禁止前に建てられた建築物に今も多くの石綿建材が残っている。
こうした石綿使用建築物の解体や改修が今後ピークを迎えることから、2020(令和 2)
年 7 月に石綿障害予防規則等を改正し、石綿含有の有無の事前調査・分析調査を行う者の
* 20 石綿(アスベスト)は、天然に産する繊維状けい酸塩鉱物で、そのばく露により、主に石綿肺、肺がん、中皮腫のような健康障害
を生ずるおそれがある。

令和 5 年版

厚生労働白書

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