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令和5年版厚生労働白書 全体版 (440 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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分野において、日本の知識・経験を活かして、WHO、ILO をはじめとする国際機関、
ASEAN やアジア太平洋経済協力(Asia-Pacific Economic Cooperation:APEC)等
の枠組みを通じた国際協力、また、外務省や JICA、民間団体と連携して、ワークショッ
プ開催、専門家派遣、研修員受入れ、プロジェクト計画作成指導などの技術協力を行い、
開発途上国の人材育成、制度づくりに貢献している。

1 保健医療分野

WHO を通じて、鳥・新型インフルエンザやエボラ出血熱、新型コロナウイルス感染

症などの公衆衛生上の危機への対応強化に努めるとともに、国立感染症研究所や国立国際
医療研究センターを中心に開発途上国への専門家の派遣や技術協力を行っているほか、エ
イズの感染拡大に対処するため、国際連合エイズ合同計画(Joint United Nations
Programme on HIV/AIDS:UNAIDS)を通じて援助を行うなど、様々な形で保健医
療分野における国際協力を行っている。
また、全ての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払
い可能な費用で受けられる状態を指す UHC に関して、疾病負荷が多様化し、健康格差が
拡大する現状に鑑み、公平性や経済的リスク保護を重視する意味において、UHC の推進
は今後ますます重要になる。
UHC 達成は持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals:SDGs)の一
つとして位置づけられており、日本は WHO 等の国際機関や各国政府と協力し、途上国
への支援を通じて全世界での UHC 達成を目指している。2017(平成 29)年 12 月には、
UHC フォーラム 2017 を WHO、世界銀行、国連児童基金(UNICEF)、UHC2030 と
共催し、「UHC 東京宣言」が採択された。日本は、約 60 年間にわたる国民皆保険の経験
を踏まえ、その実現までに得られた知見を他国と共有するとともに、世界的に進行する高
国際社会への貢献



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齢化への対応など検討を続けていく。この取組みの一環として、2020(令和 2)年 1 月
に PMAC2020/UHCForum2020 をタイ政府と共催したほか、UHC 達成に向けた保健
システム構築のための技術支援や資金援助を行う UHC パートナーシップを通じた支援を
行っている。
さらに、水道分野については、日本の産学官の専門家の知見を活用しながら、国際協力
の方針を検討する委員会の設置、JICA を通じた専門家派遣や研修員受入れ等を行ってい
る。

2 労働分野

(1)国際機関等を通じた取組み

ILO に対する任意拠出金により、ILO を通じた開発協力事業(マルチ・バイ事業)を

実施しており、アジア太平洋地域を中心とした開発途上国において、労働安全衛生、社会
保険制度、労使関係、雇用政策、グローバル・サプライチェーンにおけるディーセント・
ワークの実現等の労働問題の解決を支援している。
また、2011(平成 23)年度から、アジア諸国において、国際的な労使団体の持つネッ
トワークを活用し、公的サポートが行き届かない人々の生活の自立に向けたセミナー実
施、互助団体の設立等により、草の根レベルでの社会セーフティネット構築の支援を行っ

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令和 5 年版

厚生労働白書