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令和5年版厚生労働白書 全体版 (369 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

(4)たばこ

喫煙は、がん、循環器疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの生活習慣病

の最大の危険因子である。また、受動喫煙は、虚血性心疾患や脳卒中、肺がんに加え、乳
幼児突然死症候群(SIDS)等のリスクを高める。
2005(平成 17)年 2 月に「たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)

が発効した。我が国は 2004(平成 16)年にこの条約を締結しており、喫煙や受動喫煙が
健康、社会、環境や経済に与える影響から、現在及び将来の世代を保護するという基本理
念に沿って、たばこ対策の充実強化に取り組んでいる。
「健康日本 21(第二次)」では、①成人(20 歳以上)の喫煙率の減少、②未成年者(20
歳未満)の喫煙をなくす、③妊娠中の喫煙をなくす、④受動喫煙の機会を有する者の割合
の減少について目標を定め、その達成に向けた取組みを推進している。
2016(平成 28)年 8 月には、たばこを取り巻く社会環境の変化とともに新たに蓄積さ
れた科学的知見、たばこの現状と健康影響及び諸外国のたばこ対策等を整理するため、
「喫煙の健康影響に関する検討会」を開催し、
「喫煙と健康

喫煙の健康影響に関する検討

会報告書」
(通称、たばこ白書)を取りまとめた。
(第二版)
」を増補改訂するなど、禁煙治療とともに禁煙支援の充実を図っている。
また、禁煙や受動喫煙防止の普及啓発活動として、WHO
が世界禁煙デーとして定める毎年 5 月 31 日から 1 週間を禁
煙週間としている。2016(平成 28)年 11 月には「受動喫
煙のない社会を目指して」ロゴマークを発表した。
受動喫煙対策については、2018(平成 30)年の第 196 回



通常国会において、「望まない受動喫煙」をなくすことを目

健康で安全な生活の確保

喫煙率を低下させる取組みとしては、2018(平成 30)年 5 月に「禁煙支援マニュアル

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的とし、以下を主な内容とする「健康増進法の一部を改正す



る法律」が成立し、2020(令和 2)年に全面施行された。
・子どもや患者等が主たる利用者となる学校、病院、児童福祉施設等や行政機関(第一種
施設)においては「敷地内禁煙」とすること
・これら以外の多数の者が利用する施設(第二種施設)においては「原則屋内禁煙」とす
ること
・既存特定飲食提供施設(既存の飲食店のうち、個人又は資本金 5,000 万円以下の中小企
業であって、客席面積 100m2 以下のもの)については、別に法律で定める日までの間
の措置として、標識の掲示等により店内での喫煙が可能であること
2017(平成 29)年から実施している「喫煙環境に関する実態調査」においては、「健
康増進法の一部を改正する法律」の施行後の状況の把握をおこなっており、2021(令和
3)年度の調査では、第一種施設における敷地内全面禁煙の割合が 87.4%、第二種施設に
おける屋内全面禁煙が 71.6%、喫煙専用室設置が 9.2%となっている。
また、2022(令和 4)年には「たばこ対策に関する世論調査」を行い、「健康増進法の
一部を改正する法律」による健康増進法の改正内容や喫煙による健康影響に関する知識に
ついて調査を行った。
これらの調査結果を踏まえ、たばこ対策、受動喫煙対策に関する取組みを推進してい

令和 5 年版

厚生労働白書

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