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令和5年版厚生労働白書 全体版 (422 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html
出典情報 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》
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た障害者に対する保護、養護者に対する支援のための措置が図られた(図表 9-1-4)。
厚生労働省においては、障害者虐待の防止に向けた取組みとして、地域生活支援促進事
業において、地域における関係機関等の協力体制の整備・充実を図るとともに、過去に虐
待があった障害のある人の家庭訪問、障害者虐待防止に関する研修、虐待事例の分析を行
う都道府県や市町村を支援している。
さらに、障害がある人の虐待防止・権利擁護や強度行動障害のある人に対する支援のあ
り方に関して、各都道府県で指導的役割を担う者を養成するための研修を実施している。
図表 9-1-4

障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律の概要
(平成 23 年 6 月 17 日成立、同 6 月 24 日公布、平成 24 年 10 月 1 日施行)

目 的

障害者に対する虐待が障害者の尊厳を害するものであり、障害者の自立及び社会参加にとって障害者に対する虐待を防止するこ
とが極めて重要であること等に鑑み、障害者に対する虐待の禁止、国等の責務、障害者虐待を受けた障害者に対する保護及び自立
の支援のための措置、養護者に対する支援のための措置等を定めることにより、障害者虐待の防止、養護者に対する支援等に関す
る施策を促進し、もって障害者の権利利益の擁護に資することを目的とする。
定 義
1 「障害者」とは、身体・知的・精神障害その他の心身の機能の障害がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常
生活・社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
2 「障害者虐待」とは、
①養護者による障害者虐待、
②障害者福祉施設従事者等による障害者虐待、③使用者による障害者虐待をい
う。
3 障害者虐待の類型は、
①身体的虐待、②放棄・放置、
③心理的虐待、④性的虐待、⑤経済的虐待の 5 つ。
虐待防止施策

養護者による障害者虐待

障害者福祉施設従事者等による障害者虐待

使用者による障害者虐待

[ 市町村の責務 ] 相談等、居室確保、連携確保

[ 設置者等の責務 ] 当該施設等における障害者
に対する虐待防止等のための措置を実施

[ 事業主の責務 ] 当該事業所における障害者に
対する虐待防止等のための措置を実施

[ スキーム ]

[ スキーム ]

[ スキーム ]

通知

都道府県

①監督権限等の適切な行使
②措置等の公表

通報




9

都道府県

市町村

①事実確認(立入調査等)
②措置(一時保護、後見審判請求)

報告

虐待発見

市町村

通報

市町村

通報

虐待発見

虐待発見

障害者支援の総合的な推進

1 何人も障害者を虐待してはならない旨の規定、障害者の虐待の防止に係る国等の責務規定、障害者虐待の早期発見の努力義務
規定を置く。
2 「障害者虐待」を受けたと思われる障害者を発見した者に速やかな通報を義務付けるとともに、障害者虐待防止等に係る具体的
スキームを定める。

報告

労働局

①監督権限等の適
切な行使
②措置等の公表

3 就学する障害者、保育所等に通う障害者及び医療機関を利用する障害者に対する虐待への対応について、その防止等のための
措置の実施を学校の長、保育所等の長及び医療機関の管理者に義務付ける。
その他
1

市町村・都道府県の部局又は施設に、障害者虐待対応の窓口等となる「市町村障害者虐待防止センター」・「都道府県障害者権
利擁護センター」としての機能を果たさせる。
2 市町村・都道府県は、障害者虐待の防止等を適切に実施するため、福祉事務所その他の関係機関、民間団体等との連携協力体
制を整備しなければならない。
3 国及び地方公共団体は、財産上の不当取引による障害者の被害の防止・救済を図るため、成年後見制度の利用に係る経済的負
担の軽減のための措置等を講ずる。

※虐待防止スキームについては、家庭の障害児には児童虐待防止法を、施設入所等障害者には施設等の種類(障害者施設等、
児童養護施設等、養介護施設等)に応じてこの法律、児童福祉法又は高齢者虐待防止法を、家庭の高齢障害者にはこの法
律及び高齢者虐待防止法を、それぞれ適用。

3 発達障害者の支援

発達障害については、2004(平成 16)年 12 月に「発達障害者支援法」が成立し、発

達障害の法的位置づけが確立され(図表 9-1-5)、発達障害の早期発見・早期支援や発達

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令和 5 年版

厚生労働白書