令和5年版厚生労働白書 全体版 (330 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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報件数が 2,390 件、虐待判断件数が 739 件であり、養護者による虐待の相談・通報件数
が 36,378 件、虐待判断件数が 16,426 件である。
高齢者の虐待防止については、とりわけ市町村等の体制整備の強化が喫緊の課題である
ことから、都道府県の指導監督部局や市町村の虐待対応部局の実務者等で構成される会議
の設置等を支援するとともに、2022(令和 4)年度に、
「市町村・都道府県における高齢
者虐待への対応と養護者支援について」
(平成 30 年 3 月)を改訂し、虐待対応における都
道府県と市町村の連携の強化を推進した。
3 認知症施策の推進
我が国では、2025(令和 7)年には高齢者の 5 人に 1 人、700 万人が認知症になると見
込まれており、認知症は、今や誰もが関わる可能性のある身近なものとなっている。
こうした状況を踏まえ、政府全体で認知症施策を強力に推進するため、2018(平成
30)年 12 月、認知症施策推進関係閣僚会議が設置され、認知症の人や家族などの関係者
からの意見聴取等を行い、2019(令和元)年 6 月 18 日、認知症施策推進大綱がとりまと
められた。
この大綱では、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ご
せる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、
「共生」と「予防」を車の
両輪とした施策を推進していくことを基本的な考え方としている。なお、大綱上の「予
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章
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防」とは、
「認知症にならない」という意味ではなく、
「認知症になるのを遅らせる」、「認
知症になっても進行を緩やかにする」という意味である。
こうした考え方のもと、①普及啓発・本人発信支援、②予防、③医療・ケア・介護サー
国民が安心できる持続可能な医療・介護の実現
ビス・介護者への支援、④認知症バリアフリーの推進・若年性認知症の人への支援・社会
参加支援、⑤研究開発・産業促進・国際展開、の 5 つの柱に沿って施策を推進している。
大綱の対象期間は 2025 年までとしており、2022(令和 4)年が中間年であったことから、
各種施策の進捗について確認を行った。
進捗確認は、KPI/目標に対する達成度合いで評価を実施した。その結果、評価項目の
4 割が目標を達成しており、全体的には一定の進捗が見られた一方で、進捗が芳しくない
項目も確認された。例えば、全都道府県において地域版希望大使を設置する取組みや、認
知症サポーターなどが支援チームを作り、認知症の人や家族の支援ニーズに合った支援に
つなげる仕組みである「チームオレンジ」の取組みなど、全都道府県又は全市町村が実施
すべきとする目標については、進捗が低調であったため、より分かりやすいコンセプトの
周知徹底などを通じ、未実施の自治体への支援を実施することとしている。
また、認知症に係る諸問題への対応が、社会全体で求められているという共通認識の
下、行政、経済団体、医療・福祉団体などが協力して施策を推進していくための組織であ
る「日本認知症官民協議会」において、2022 年度は、これまで作成した金融、住宅、小
売、レジャー・生活関連に加え、認知症の方の生活に密接に関係する図書館、薬局・ド
ラッグストア、運動施設、配食等の 4 業種における「認知症バリアフリー社会実現のため
の手引き」を作成した。また、2022 年 3 月より、「認知症バリアフリー宣言制度」を実施
し、2023(令和 5)年 3 月現在で 27 社が宣言している。引き続き、宣言制度の普及に努
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厚生労働白書