令和5年版厚生労働白書 全体版 (130 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/22/index.html |
出典情報 | 令和5年版厚生労働白書-つながり・支え合いのある地域共生社会(8/1)《厚生労働省》 |
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り、家計改善といった「支援」が求められ
る。貸す側と借りる側の困りごとの溝を埋め
るため、行政と支援団体、不動産会社、貸主
などが顔の見える関係を築くことが大切だと
考えている。
このため、今後は、住まいに困難を抱える
第
章
3
方の入居を「受け入れる」不動産会社の開拓
から、困難を抱える方が「どこに相談すれば
良いのかつなぎ先を知っている」不動産会社
「つながり・支え合い」のある地域共生社会の実現を目指して
の開拓へ注力していくこととしている。今
後、一層、住まい支援の充実が求められる中
で、座間市の新たな挑戦が期待される。
コラム
住まいに困難を抱える方の支援を行うワンエイド
高齢者と若者の交流でお互いが元気になる賃貸住宅
(株式会社ノビシロ)
高齢者と若者らが支え合いながら楽しく暮
があった。墨塗り教科書や防空壕への避難の
らす多世代交流型の賃貸住宅「ノビシロハウ
話などに、戦争経験のない若者も興味深く耳
ス」を紹介する。
を傾けていた。
ノビシロハウスの仕組み
オケや、トウモロコシ狩りなどの屋外のイベ
株式会社ノビシロが管理するノビシロハウ
ントもある。作詞・作曲など音楽づくりに携
スは、神奈川県藤沢市の住宅街の一角にあ
わっている若い住人は、高齢者が選曲する昔
り、高齢者や若者、車いす利用者が住む単身
の名曲を初めて聴いて、新たな音楽づくりの
者用の賃貸住宅である。高齢者や車いす利用
ひらめき、新しいヒントを得られそうだと語
者が暮らしやすいようにと、一部の居室はト
る。
住民の交流は、お茶会だけではなく、カラ
イレや廊下が広めに作られている。
若者は、①朝や帰宅時に定期的な高齢者へ
の声がけを行うこと、②月 1 回の住人同士が
参加するお茶会を開催すること、この 2 つを
行うことを条件に、家賃が半額になる。
みんなが元気になる交流
お茶会は、ノビシロハウスの住人同士だけ
でなく、ノビシロのスタッフや地域に住んで
いる学生なども参加することができる。
テーブルをみんなで囲んで、お菓子を食べ
116
▲お茶会の様子
「声がけ」から広がる近所づきあい
若者は、朝や帰宅時に定期的に高齢者のお
たりしながら、日常生活の些細な話、好きな
宅を訪問することになっている。インター
歌の話、大学や仕事の話など、いろんな雑談
フォン越しだけの時もあれば、部屋に上がっ
で盛り上がる。
て食事を一緒にすることもある。
ある日のお茶会では、戦争を体験した高齢
ノビシロハウスの交流の強みは、同じア
の住人から、実体験に基づいたリアルなお話
パートに住む住人同士という点である。ノビ
令和 5 年版
厚生労働白書