よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (286 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/pdf/r5_zenki_shiori.pdf
出典情報 令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/13)《東京都》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

に不可欠なものである。
国は、令和3年10月に、地球温暖化対策計画とエネルギー基本計画を改定し、
「2050カーボンニュートラル」の実現に向けた2030年までの取組の方向
性等を取りまとめた。温室効果ガス50%削減への挑戦の明記や、新築建物(住
宅含む)における2030年までに整えたい事項を提起したことなどは重要なポ
イントである。
気候危機が既に私たちの身近に及んでいる今、大きく求められているのは、
「2050年実質排出ゼロ」につながる「具体的な行動を開始」することである。
このため、IPCC『1.5℃レポート』が提起した、2030年までの「今後
10年間の取組」が極めて重要との認識を一にして、脱炭素社会の基盤づくりに
むけて、特に「今後5年間で取り組む事項」等を明確化するなどして、削減に向
けた行動を一刻も早く開始することが必要である。
加えて、この脱炭素化に向けた行動が待ったなしの状況下において、ロシア・
ウクライナ情勢などにより、世界中でエネルギー価格が高騰するなど、様々な危
機へと発展している。社会構造変化に対応して脱炭素社会を実現していくために、
実効性ある温室効果ガス削減対策を行うことが求められている。
具体的には、現在利用可能な我が国の優れた既存・先進技術を全面活用しなが
ら、ものづくりから建築物・市民生活に至るまで、エネルギー効率の更なる改善
や再生可能エネルギーの抜本的な利用拡大を抜本的に進めていくこと、実効性あ
るカーボンプライシングの構築などにも取り組んでいくことが必要である。
また、特にエネルギー供給に大きな責任と役割を持つ国として、再生可能エネル
ギーの基幹エネルギー化に向けた取組を最大限に加速させ、2030年における
電力の再生可能エネルギーの割合については38%以上の高みを目指していく必
要がある。そうしたことで、国が想定する2030年時点での電気のCO2排出
係数の数値の実現を確実なものとしていていくべきである。あわせて、脱炭素熱
の普及拡大に向けた2030年までの取組内容の具体化等も必須である。
脱炭素社会の実現にむけて、国が果たすべき役割は決定的に重要である。東京
をはじめとする各地域の主体的かつ率先的取組を支援する施策の構築や2050
年に向けた更なる技術開発などに取り組むとともに、温室効果ガスの国内での大
幅削減を目指すことで脱炭素社会への転換を先導し、世界全体の排出削減に最大
限貢献していくことが必要である。
この中にあって、令和3年2月以降、環境省では「カーボンプライシングの活
用に関する小委員会」、経済産業省では「世界全体でのカーボンニュートラル実
現のための経済的手法等のあり方に関する研究会」を通じて、カーボンニュート
ラルの実現に向けた検討が進められており、令和3年8月、それぞれ中間整理が
提示された。
このうち、経済産業省においては、本年2月に「GXリーグ基本構想」を公表
し、経済社会システム全体の変革(GX:グリーントランスフォーメーション)
のための議論と新たな市場創造のための実践を行う場として、「GXリーグ」の
準備を進めることとし、当該基本構想への賛同企業を同年3月末日まで募集して
いた。今回創設されるGXリーグは、企業が自主的に設定した目標に基づき削減
量を評価する仕組みとしているが、国の削減目標の達成、さらには、脱炭素社会
の実現に向けて、排出量の総量削減義務を伴う仕組みの導入など国が積極的な施
策展開を図る必要がある。

- 280 -