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令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (55 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/pdf/r5_zenki_shiori.pdf
出典情報 令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/13)《東京都》
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地方公共団体が共同で利用できるシステムとしては、デジタル庁が提供する「補
助金申請システム(Jグランツ)」などがあり、今後、国においてこのような共通
基盤システムを構築する場合、設計段階から地方公共団体の意見を十分に聞く機
会を設けるとともに、構築後も各地方公共団体が必要に応じて追加機能を利用で
きるよう、国費により随時システムのアップデートを行うべきである。
また、国は、2020年12月に策定した「自治体DX推進計画」をうけて、
地方公共団体の業務プロセス・情報システムの標準化に向け、住民記録、地方税、
福祉など基幹系20システムに関する標準仕様を策定し、2025年度までに、
原則全ての地方公共団体がガバメントクラウド上に構築された基幹業務システム
へ移行する統一・標準化を目指すとしている。
さらに、この標準仕様に基づく情報システムの利用を地方公共団体に義務づけ
る「地方公共団体情報システムの標準化に関する法律」を2021年9月に施行
し、2021年11月からは、先行事業として、8市町の基幹業務等システムに
ついて、ガバメントクラウド利用の検証をはじめている。
この基幹業務等システムの標準化は、情報システムの迅速な構築と柔軟な拡張、
データ移行や連携の容易性の向上、セキュリティ対策、情報システムに係るコス
ト削減等、住民サービスの向上と行政の効率化が期待されている一方で、令和4
年5月に東京都が開催した「第3回東京都・区市町村CIOフォーラム」に参加
した区市町村からは、自治体規模によって業務の複雑さは全く異なるため、こう
した標準化に係る取組について、国が示す2025年までの対応に懸念を示す声
も挙がっている。国は各地方公共団体の意見を十分に集約し、検討に活かすこと
で地方自治体の懸念を払しょくすべきである。
あわせて、国は、国が整備する共通的な基盤を提供する複数のクラウドサービ
スの利用環境へのシステム移行経費等について、地方公共団体情報システム機構
に「デジタル基盤改革支援基金」を設け、当該基金を通じて地方公共団体に対し、
財政支援を行っているが、令和4年4月に実施した区市町村に対するアンケート
によると、依然として多くの自治体から財政的な支援を求める意見があった。財
政支援は自治体の規模に応じて上限を設定することとされているが、地方公共団
体ごとの取組に差が生じることがないよう、必要な財源を確実に措置される仕組
みとするべきである。
法人に付番するIDとしては、GビズIDが設けられているが、法人の事業所
ごとに付番するIDがないため、事業所単位で申請・交付等が必要な行政手続に
おいても、法人IDを利用する必要があるため、利用者にとっては手続に手間が
かかり使いにくいものとなっている。また、国の「補助金申請システム(Jグラ
ンツ)」はシステムの仕様上GビズIDを取得することで本人認証を行うものとな
っていることから、個人を対象とした補助金申請については、本システムを活用
して申請・交付手続を行うことができない。
加えて、行政手続法第15条第3項では、不利益処分の名あて人となるべき者
の聴聞の通知に当たり、「
不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない
場合」の公示送達の方法として、公示事項を事務所の掲示板に掲示することを規
定している。公示送達の手続においてもデジタル化を進めたいところであるが、
現行法で対応可能なデジタル化の方法やインターネット上に公開する場合のプラ
イバシー配慮の観点を踏まえた公示事項の範囲等について具体的な方針を示すな
ど速やかに必要な措置を講ずるべきである。
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