よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (377 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/pdf/r5_zenki_shiori.pdf
出典情報 令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/13)《東京都》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

るものとなっていない。
また、不規則勤務や、長時間通勤による就業負担及び家賃に係る経済的負担が
大きいとの指摘や、保育士の場合、保育所保育士と比べて処遇に差があるなど、
人材の確保・定着について課題となっている。
乳児院では、夜間においても授乳や呼吸確認などの業務が継続的に必要となる
が、夜勤職員は1人で児童10名以上を養育しているほか、一時保護委託の受入
れも行っている。そのため、夜勤職員の業務は過大で、心理的負担となっている。
自立援助ホームでは、被虐待や発達障害など様々な困難を抱える児童を多く引
き受けている実態があるが、国では自立度の高い児童を想定し、職員配置基準は
定員6名の場合、2.5名となっており、処遇困難な児童の支援に十分に対応で
きるものとなっていない。
国は、ビジョンや要領において、社会的養護の下で育つ子供たちは、「家庭に
おける養育環境と同様の養育環境」である里親等への委託を進め、施設において
も「できる限り良好な家庭的環境」において養育するよう求めているが、この推
進のためには施設や養育家庭等の養育の質の確保と支援の充実が不可欠である。
里親等委託率の向上のためには、ファミリーホームの設置促進も欠かせない。
現在ファミリーホームは障害等の特性のある児童を多く受け入れており、児童の
受託により家屋の改修が必要になることも少なくないが、改修経費の補助は1ホ
ームに付き800万円を上限に1回限りとなっているほか、里親移行型のファミ
リーホームであっても、法人等と同じ基準の財産処分制限がかかることから、活
用しづらいとの声が挙がっている。
また、特性のある児童が里親に委託されるケースも増加している。里親が特別
な配慮を要する児童等を養育する中で、感情的になり怒鳴ったり、子供の前で物
にあたったりするなどの不適切な対応を行ったことで、被措置児童等虐待として
認定せざるを得ないこともある。被措置児童等虐待を行った者は、養育里親及び
養子縁組里親となることができない旨児童福祉法に定められており、その行為の
軽重にかかわらず、里親登録が取り消されることになる。施設職員についてはこ
うした規定はなく、不適切な対応を行った場合でも施設長等に指導を行った上で
児童の委託を継続することができる。里親については、それまでの委託児童との
関係性や委託児童自身の意向にかかわらず直ちに措置変更とせざるを得ず、子供
の最善の利益を損なうおそれがある。
施設における小規模かつ地域分散化の取組について、過渡的に本体施設のユニ
ット化を経て独立させていく場合でもおおむね10年程度での地域分散化及び多
機能化等を図る計画を求めているが、現に大規模な施設等においては10年程度
での地域分散化の促進は困難である。さらに、国は施設の小規模化を進めている
が、既存の建物の解体工事費補助は小規模化後の定員数で算定されるため、小規
模化を進めた結果補助額が減少し、小規模化への取組の妨げとなる状況がある。
施設の小規模化・地域分散化等による本園の取りまとめの業務の増加や、特別
育成費の実費化により事務量が増加している。そのため、直接子供の処遇に当た
る職員が事務業務を一部担っている実態があり、こうした事務処理への対応のた
め、処遇困難な子供の入所が増加傾向にある中で、きめ細かなケアの支障となっ
ている。
新型コロナウイルス感染症の影響で、子供達の学習環境はオンラインやタブレ
- 371 -