令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (378 ページ)
出典
公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/pdf/r5_zenki_shiori.pdf |
出典情報 | 令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/13)《東京都》 |
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Wi-Fi等のネット環境を整備運用しネット社会に対応していかなければなら
ないが、措置費事務費はそれに対応したものになっていない。また、国の青少年
のインターネット利用実態調査によれば、中高生のインターネット利用は約98
パーセントで利用機器はスマホ67パーセント、タブレット36パーセントと、
ほとんどの中高生はスマホもしくはタブレットを所有しているが、措置費事業費
では中高生のインターネット機器の整備や利用料について措置されていない。
国は、平成28年の児童福祉法改正に伴う通知で、乳幼児について、里親等へ
の委託を原則とするとともに、平成30年3月に一部改正された「里親委託ガイ
ドライン」において、心身の発達にとって大切な新生児の時期から里親委託を検
討することが重要であると示している。そのためには、専門性を持つ養育家庭等
の育成や手当の充実及び早期からの里親委託が可能となるような仕組みづくりが
必要である。
また、施設等を退所した後、安定した生活を送るためにも、社会的養護におけ
る自立支援策の強化が求められている。国制度では、措置延長した者に対しては、
22歳まで自立に向けた様々な支援があるが、18歳で措置解除した者に対して
の支援策は十分なものとなっていない。さらに、児童の自立を支援する自立支援
担当職員について、措置費の加算額では、退所者のアフターケアを十分に行うこ
とが出来ない。
コロナ禍においても施設を運営していくためには、引き続き新型コロナウイル
ス感染防止対策を講じていく必要がある。
国は児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化するとのことであ
る。この見直しにより支援する期間が長期化し、児童相談所や施設の業務量が増
えることが懸念される。
<具体的要求内容>
(1)被虐待児童及び発達障害を持つ児童の増加や常時医療が必要な乳児などに
適切に対応できるよう、また、小規模かつ地域分散化が進むよう社会的養護
の体制整備を図ること。
① 社会的養護を担う施設職員の人材確保は喫緊の課題である。人材確保・
育成等に対する支援の一層の充実を図るとともに、多様な専門職や専門性
の高い職員を継続的に配置できるよう措置費事務費の増額等の見直しを行
うこと。
② 地域小規模児童養護施設などのグループホームや児童養護施設等を設置
する法人が事業者となるファミリーホームについて、開設促進のための支
援や、勤務する職員が孤立することのないよう地域分散化された施設を支
援する職員の本体施設への配置を行うほか、遠隔地に設置する場合に本体
施設とは別にバックアップを行う拠点等の整備運営を支援するなど、地域
分散化された施設の安定した事業運営に向けた仕組みを構築すること。
③ 医療的ケアや心理的ケアなどの専門的ケアを必要とする児童へ十分な対
応が行えるよう、児童養護施設及び乳児院への精神科医や治療・指導職員
等の専門職員の配置に係る医療的ケア児等受入加算の充実を図ること。そ
の際には地域の実情に応じた補助体系とすること。
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