令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (449 ページ)
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公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/pdf/r5_zenki_shiori.pdf |
出典情報 | 令和5年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/13)《東京都》 |
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(以
下、「国指針」という。)では、乳がん検診・子宮頸がん検診においては、隔年で
の受診を定めている。検診は定期的な受診が重要であることから、その後の受診
を促進するため、初年度以外にも対象を拡大する必要がある。
国の「がん対策推進基本計画(第三期)」において、精密検査受診率の目標値
90パーセントが設定されたことを踏まえ、都は平成30年度より、区市町村に
おける要精検者の精密検査受診結果の把握を推進し、精密検査受診率を向上させ
る目的から、都内における精密検査結果報告書の標準様式の作成等の取組を進め
ている。しかし、精検実施機関から区市町村に報告書が返送されないケースが多
く、区市町村が要精検者の受診動向を把握できないため、効果的な受診勧奨・再
勧奨につながっていない。また、精密検査受診の重要性に関する国民の理解につ
いては十分とは言えず、精密検査の受診率を向上させるためには、国民の正しい
理解を促すことが必要である。
職域におけるがん検診については、検診全体に占める割合が高いにもかかわら
ず、制度上の位置付けが明確でないため、実施状況の正確な把握や精度管理が十
分でない。国は、
「職域におけるがん検診に関するマニュアル」を作成し、研究班
において実施状況の把握や精度管理について検討しているが、検診受診から精密
検査までの結果把握が行われるような仕組みの構築は講じられていない。
乳がん検診については、国は令和3年10月に、集団検診において医師の立会
いのないマンモグラフィを可能とするため国指針を改正したところであるが、乳
がん検診の精度管理を維持するためには、マンモグラフィの従事者に対する技術
の向上に加え、エックス線撮影時の安全性確保などに関する研修を実施する必要
がある。
さらに、平成28年度から胃内視鏡検診従事者研修の補助事業が開始されたが、
重篤な偶発症に適切に対応できる体制整備及び精度管理を図るためには、今後も
継続的な研修の実施が必要である。
国は対策型検診として科学的根拠に基づいたがん検診を推進するため、子宮頸
がん検診におけるHPV検査や乳がん検診における超音波検査など、新たな検査
方法の導入に向けて、検査の実施手順や有効性評価などについて様々な調査研究
を行ってきた。国立がん研究センターは令和2年7月、
「有効性評価に基づく子宮
頸がん検診ガイドライン」更新版を公開し、この中で新たにHPV検査単独法を
対策型検診として推奨しているが、検査実施に当たっては陽性者に対する長期の
追跡を含む精度管理体制の構築が前提であり、国指針改正に当たっては、区市町
村にとって実効性のある実施手順の構築が必要である。新たな検査を導入するに
当たっては、区市町村が国指針に基づくがん検診を適切に実施していくため、区
市町村が計画的に精度管理向上に向けた実施体制を整備できるよう支援するとと
もに、区市町村の取組に対する財政負担に配慮する必要がある。
<具体的要求内容>
(1)
「新たなステージに入ったがん検診の総合支援事業」における乳がん検診・
子宮頸がん検診のクーポン券の配布について、定期的な受診を促すため、国
の指針で定める検診間隔を踏まえた上で、配布対象者を拡大すること。
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