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令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (300 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf
出典情報 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》
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に向けた動きが加速している。
また、気候変動対策は、「持続可能な開発目標(SDGs)」を実現するため
に不可欠なものである。
国は、令和3年10月に、地球温暖化対策計画とエネルギー基本計画を改定し、
「2050カーボンニュートラル」の実現に向けた2030年までの取組の方向
性等を取りまとめた。温室効果ガス50%削減への挑戦の明記や、新築建物(住
宅含む。)における2030年までに整えたい事項を提起したことなどは重要な
ポイントである。
気候危機が既に私たちの身近に及んでいる今、「2050年実質排出ゼロ」に
つながる「具体的な行動を開始」することが求められている。このため、IPC
C『1.5℃レポート』が提起した、2030年までの「今後10年間の取組」
が極めて重要との認識を一にして、脱炭素社会の基盤づくりに向けて、削減に向
けた行動を加速することが必要である。
また、2023年3月に公表されたIPCCの第6次評価報告書では、この1
0年間に行う取組が数千年先まで影響を持つとされ、2030年のほか、203
5年、2040年、2050年までの世界全体の必要削減量が示された。国もパ
リ協定に基づき2035年までの削減目標を策定し、2025年までにNDC(国
が決定する貢献)を国連に提出することが求められている。
加えて、この脱炭素化に向けた行動が待ったなしの状況下において、ロシア・
ウクライナ情勢などにより、世界中でエネルギー価格が高騰するなど、様々な危
機へと発展している。社会構造変化に対応して脱炭素社会を実現していくために、
実効性ある温室効果ガス削減対策を行うことが求められている。
具体的には、現在利用可能な我が国の優れた既存・先進技術を全面活用しなが
ら、ものづくりから建築物・市民生活に至るまで、エネルギー効率の更なる改善
や再生可能エネルギーの抜本的な利用拡大を進めていくこと、実効性あるカーボ
ンプライシングの構築などにも取り組んでいくことが必要である。
また、特にエネルギー供給に大きな責任と役割を持つ国として、再生可能エネ
ルギーの基幹エネルギー化に向けた取組を最大限に加速させ、2030年におけ
る電力の再生可能エネルギーの割合については38%以上の高みを目指していく
必要がある。そうしたことで、国が想定する2030年時点での電気のCO2排
出係数の数値の実現を確実なものとしていくべきである。あわせて、脱炭素熱の
普及拡大に向けた2030年までの取組内容の具体化等も必須である。
脱炭素社会の実現に向けて、国が果たすべき役割は決定的に重要である。東京
をはじめとする各地域の主体的かつ率先的取組を支援する施策の構築や2050
年に向けた更なる技術開発などに取り組むとともに、温室効果ガスの国内での大
幅削減を目指すことで脱炭素社会への転換を先導し、世界全体の排出削減に最大
限貢献していくことが必要である。
この中にあって、令和3年2月以降、環境省では「カーボンプライシングの活用
に関する小委員会」、経済産業省では「世界全体でのカーボンニュートラル実現
のための経済的手法等のあり方に関する研究会」を通じて、カーボンニュートラ
ルの実現に向けた検討が進められてきた。これらを踏まえ、令和5年2月に「G
X実現に向けた基本方針~今後10年を見据えたロードマップ~」が閣議決定さ

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