令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (521 ページ)
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公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf |
出典情報 | 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》 |
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結核対策の推進
(提案要求先
(都所管局
厚生労働省)
福祉保健局)
(1)結核予防対策を充実強化するとともに、必要な財政措置を講じ
ること。
(2)結核医療の維持に必要な対策を行うこと。
<現状・課題>
近年、新登録結核患者数及び人口10万人対り患率は減少傾向にあり、令和3
年に報告された全国のり患率は9.2となり、り患率10以下の低まん延の水準
に達している。東京都においても、り患率は10.2にまで低下し、低まん延状
態となることも視野に入ってきた。
令和3年に報告された新登録結核患者数における外国出生結核患者数の割合
は、全国で11.4%(前年11.1%)、都内においても13.4%(前年1
2.9%)となっており、前年に比べて上昇している。国は、令和2年3月に入
国前結核スクリーニングの実施についてガイドラインを公表し、令和2年7月以
降準備の整った対象国から順次実施をすることにしたが、いまだに開始されてい
ない。
今後、海外との往来等の増加が見込まれる中、入国前結核スクリーニングを早
期に開始するとともに、外国人結核対策など、結核根絶に向けたきめ細かい予防
対策をより一層推進する必要があり、これには、結核対策特別促進事業の充実が
必要である。
結核医療については、結核病床の減少傾向に歯止めがかかっていない状況にあ
り、また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により結核病床の一部が転用さ
れている実態がある。
このため、特に透析医療が必要な患者や精神疾患等の合併症を有する患者、多
剤耐性結核に感染した患者の入院調整に時間を要し、専門的かつ多様な医療が必
要とされる患者に対する良質かつ適切な結核医療の提供が更に困難な状況となっ
ている。また、患者の減少に伴い結核医療の経験をもつ医師が減少するとともに、
診療経験をもつ医師も高齢化し、将来的に結核に従事する医師の不足が危惧され
る。
さらに、80歳以上の高齢患者の割合は近年徐々に増加し、令和3年は34.
1%と全体の約3分の1を占めている。高齢患者は、入院中に体力が低下し介護
が必要になることも多く、医療機関の負担は以前よりも増加している。また、合
併症を有する患者の受入れや外来での服薬指導等は、診療報酬で評価されていな
い。
治療については、平成26年以降公費負担の対象となる薬剤が順次追加されて
いるが、現状14種類に留まっており、薬剤耐性結核や潜在性結核感染症の治療
では、合併症治療薬との併用上使用できない薬剤もあることから、多様な病態の
患者に適切な治療が行えるよう、最新の結核医療の成果を踏まえ、公費負担等の
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