令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (632 ページ)
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公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf |
出典情報 | 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》 |
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高等教育に係る経済負担の軽減
(都所管局
(提案要求先 こども家庭庁・文部科学省)
子供政策連携室・総務局・生活文化スポーツ局)
高等教育費の家計負担のあり方を抜本的に見直すこと。
<現状・課題>
日本の少子化は想定を大きく上回るペースで進行しており、令和4年の出生数
は、速報値で初めて80万人を切り、統計史上最少となった。急激な人口減少は、
社会の存立基盤を揺るがす重大な危機である。少子化の要因は多岐にわたってい
るが、国立社会保障・人口問題研究所が令和3年6月に実施した「第16回 出生
動向基本調査」では、夫婦が理想の子供数を持たない理由として、「子育てや教
育にお金がかかりすぎるから」という回答が最多となっており、教育費の負担の
大きさは主要因の一つとして挙げられている。
中でも高等教育費の家計負担については、昨年経済協力機構(OECD)が公
表した「図表でみる教育(Education at a Glance)OECDインディケータ」に
よると、日本の家計負担の割合は52%であり、OECD加盟国の平均である2
2%の2倍超となっており、諸外国と比較しても非常に高い水準にある。
一方、日本学生支援機構が実施した「令和2年度学生生活調査」によると、半
数程度の学生が何らかの奨学金を受給しているが、貸与型が主流であり、返済期
間が子育て期間と重なることで、子育て世代の負担となっていることも指摘され
ている。
国においては、令和2年4月から高等教育の修学支援新制度が実施され、一定
の要件を満たす学生を対象に、授業料・入学金の免除又は減額と、返還を要しな
い給付型奨学金が拡充された。また、本年3月に発表された「こども・子育て政
策の強化について(試案)」では、高等教育費の負担軽減策として、奨学金制度
の充実や「授業料後払い制度」の創設等が盛り込まれている。
都は、都内の子育て世帯の教育費の負担軽減及び学生の学修機会の確保を目的と
して、東京都立大学及び東京都立産業技術高等専門学校において、所得(世帯年収
目安910万円未満)や住所等の要件を満たす世帯を対象に令和6年度から授業料
の実質無償化を実施することとしているが、高等教育費における家計負担のあり方
については、国家的な視点で制度設計を行い、将来を見据えて継続的に見直しを行
うべき課題であり、国の責任において支援を更に拡充していく必要がある。
<具体的要求内容>
(1)高等教育の修学支援新制度を拡充し、支援対象の拡大や給付額の引上げ等、
更なる負担軽減を実現すること。その際、地方自治体の財政負担を軽減する
ような制度設計とすること。
(2)貸与型奨学金について、制度の対象を拡大するとともに、返済中の若者・
子育て世代についても減額返還制度を利用可能な年収対象を大幅に拡大する
等、実情を踏まえた支援策を講じること。
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