令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (634 ページ)
出典
公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf |
出典情報 | 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》 |
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して加配定数を削減することなく、必要な教職員定数を別途確保することが必要
である。
(2)小学校における教科担任制の推進について
学習が高度化する小学校高学年において、専門性の高い教科指導を実現し、中
学校教育への円滑な接続を図るためには、特定の教科を専門的に指導する体制を
構築することが効果的である。
国は、小学校における教科担任制の推進のため、専科指導のための加配定数を
令和4年度から4年程度をかけて段階的に拡充することとしているが、加配定数
の改善総数は計3,800人程度にとどまる。これは、全国の公立小学校約1万
9,000校の2割程度の規模であり、優先的に専科指導の対象とすべき教科が
4教科であることも踏まえると、不十分である。また、今後、各自治体が財源の
見通しを持ち、計画的かつ早期に小学校の教科担任制を推進していくためには、
国が、令和8年度以降の加配拡大の計画を速やかに定め、示す必要がある。
教科担任制の導入校では、授業の質の向上に加え、児童の多面的な理解や教員
の持ち授業時数の軽減及び計画的な年休の取得など働き方改革の観点で成果が現
れており、今後さらに推進を図るためには、専科指導のための加配定数を一層拡
充することが必要である。
また、国は教科担任制のための加配定数を措置するため、習熟度別指導等の加
配定数について、令和2年度及び令和3年度の2年間で計4,000人を振り替
え、更に令和4年度は230人、令和5年度は200人を振り替えている。加配
定数は、専科指導のみならず、地域の実情に応じて少人数指導や習熟度別指導、
ティーム・ティーチング等の多様な取組に活用され成果を挙げている現状を十分
に踏まえ、今後の教科担任制のための加配定数の拡充に当たっては、習熟度別指
導等の加配定数を振り替えることなく、必要な教職員定数を確保することが必要
である。
(3)教職員定数の充実及び加配定数の柔軟な運用について
現在、学校現場では、いじめや暴力行為等の問題行動、不登校、特別な支援が
必要な児童・生徒や、外国につながる子供等の特別な配慮を必要とする児童・生
徒の増加など、様々な課題が複雑化かつ困難化している状況にある。また、コロ
ナ禍において、各学校では徹底した感染症対策を行いながら創意工夫を凝らして
教育活動を継続しており、子供たちの心のケアにも努めている。
学校における働き方改革を実現しつつ、児童・生徒一人一人に応じたきめ細か
な指導や支援を行い、教育活動の質の向上を図るためには、義務標準法制定時の
教員一人当たりの持ち授業時数を踏まえ定められている「乗ずる数」の見直しや、
指導方法工夫改善や児童生徒支援等の加配定数の拡充により、教職員定数を一層
充実することが必要である。
また、加配定数は法令上、その目的に応じて数種の事項に分類されるが、国へ
の申請に当たっては、より細かく区分された項目ごとに申請する必要がある。特
定の項目に措置された加配定数は、同一の事項であっても他の項目に原則振り替
えることができず、自治体の方針や個々の学校の実態に応じて効果的に活用する
ことが困難となっている。
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