令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (499 ページ)
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公開元URL | https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf |
出典情報 | 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》 |
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り、集中治療を脱した後も円滑に退院できない状況が、NICUの満床状態を解
消できない要因の一つとなっている。
平成30年度診療報酬改定において、小児在宅医療に関する一定の評価がなさ
れたものの、在宅療養等へ円滑に移行するためには、NICU入院児支援コーデ
ィネーターの配置や、地域において円滑に在宅生活を送れるような在宅移行支援
病床やレスパイト病床の確保、地域小児科医及び訪問看護師の拡充など、引き続
き環境整備を図ることにより、円滑な退院に向けた更なる支援を行う必要がある。
さらに、平成28年6月の児童福祉法改正、令和3年9月の医療的ケア児支援
法の施行により医療的ケア児の支援に関する保健・医療・福祉等に関する業務を
行う関係機関及び民間団体相互の緊密な連携のもとの切れ目ない支援を行うこと
とされた。医療依存度の高いNICU等入院児の在宅療養への移行を更に進める
ためには、入院中から退院後の生活を支援する多職種の関わりが重要である。
今般の新型コロナウイルス感染症への対応において、国は新型コロナウイルス
感染症にり患又は疑いのある妊産褥婦を受け入れる医療機関に対する支援を行っ
てきたが、他の新興・再興感染症発生時においても、都民が地域で安心して子供
を産み育てられるよう、これまでの知見を踏まえ、相談・往診体制の構築や産科
かかりつけ医と周産期医療機関、その他医療機関との医療連携体制の確保に向け
た必要な措置を講じるとともに、妊産婦を受け入れる医療機関における院内感染
防止対策への支援が必要である。
<具体的要求内容>
(1)周産期母子医療センターの実態等を踏まえ、NICU及びMFICU運営
費の補助基準額の設定等を見直すこと。また、NICU入院児の重症度や対
応困難度を評価する仕組みを構築し、加算の拡充を図ること。
(2)周産期母子医療センター等で働く産科医や新生児科医等を確保するため、
診療報酬の改善などの更なる充実策を講じるとともに、分娩手当や新生児科
医に対する手当の補助等、地域医療介護総合確保基金の対象となった事業に
ついては必要額を確実に措置すること。
(3)NICU入院児支援コーディネーターの配置促進や、在宅移行支援病床・
レスパイト病床の確保、訪問看護ステーションの拡充など、円滑な退院や在
宅生活を支援する仕組みを充実させるとともに、必要な財源措置を講じること。
(4)NICU等退院児の地域における在宅療養の充実を図るため、入院中から
の支援や訪問看護等に対する診療報酬を更に充実させること。
(5)新興・再興感染症発生時において、都民が身近な地域で子供を安心して産
み育てられるよう、相談・往診体制や医療連携体制の確保に向けた必要な措
置を講じること。また、院内感染防止対策に取り組む周産期医療機関に対す
る財政支援の拡充を図ること。
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