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令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (324 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf
出典情報 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》
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<現状・課題>
パリ協定の発効以降、世界的に脱炭素社会の実現に向けた気運が高まっている
中、先進諸国を中心に大幅な温室効果ガスの削減に加え、再生可能エネルギーに
ついても、これまで以上に高い中期目標を掲げる動きが広がっている。令和4年
のG7サミットでは「2035年までに電力部門の全て又は大部分を脱炭素化す
ること」が共通目標として掲げられ、国も賛同したところである。令和5年3月
にはIPCCの第6次評価報告書が公表され、各国はこれを踏まえてパリ協定に
基づき、2035年の削減目標を2025年までに国連に提出することが求めら
れている。
また、企業においてもRE100等、再生可能エネルギーを積極的に調達しよ
うとする動きが急速に高まっている。
国は、令和2年10月の『2050年カーボンニュートラル宣言』や令和3年
4月の「2030年度の温室効果ガス46%削減、更に50%の高みを目指して
挑戦を続ける新たな削減目標」の実現に向け、エネルギー供給に大きな責務を有
する国としての役割をしっかりと果たし、再生可能エネルギーの導入拡大を強力
に推進していく必要がある。
再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(平成23年法律第
108号)に基づく固定価格買取制度(以下「FIT制度」という。)が平成2
4年7月から開始され、全国的な再生可能エネルギーの普及により、CO₂ 排出
抑制、エネルギー自給率向上や化石燃料の節約のほか、地域経済活性化や雇用創
出効果など国内経済への波及効果を生んでいる。
また、大量導入やコスト低減が可能であって、その経済波及効果の大きさから
再生可能エネルギーの主力電源化の切り札とされる洋上風力発電設備の導入拡大
に向け、「海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関
する法律(平成30年法律第八十九号。以下「再エネ海域利用法」という。)」
が令和元年4月に施行し、全国各地で案件形成が進んでいる。
このような中にありながら、現在の再生可能エネルギーの発電コストは国際水
準と比較して依然高い状況にある。
さらに、全国的に系統制約が依然として発生するなど、再生可能エネルギーの
導入拡大に向けた様々な課題が明らかになっている。特に、太陽光発電設備は、
余剰電力買取制度及びFIT制度の創設を契機として急速に設置が進展してお
り、これらの廃棄が2030年代半ば以降から本格化することが見込まれている。
設備の中の太陽光パネルには、鉛などの有害物質が含まれていることから、環境
汚染防止の観点から、適正な処理を担保するとともに、環境負荷削減の観点から
も住宅用太陽光発電設備のリサイクルルートを確立する等、持続的に資源循環を
図る必要がある。
さらに、再生可能エネルギーによる熱利用は、支援策が不十分であるため普及
が進まず、再生可能エネルギーのポテンシャルが十分活用できる状況にはない。
また、消費者の取組として環境に配慮した電力選択を喚起するとともに、国や
電気事業者は、適切な情報発信と消費者ニーズに即した情報提供を行うことが求
められている。
こうした状況に加えて、ロシア・ウクライナ情勢によりエネルギーを取り巻く

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