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令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (59 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf
出典情報 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》
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<現状・課題>
行政手続のデジタル化に当たっては、個々の手続をオンライン化するだけでは
なく、一度出した情報は二度提出することを不要とする「ワンスオンリー」や、
複数の手続・サービスを一つにまとめる「ワンストップ」の取組を同時に進めて
いく必要があり、そのためには、地方公共団体間のデータ連携の円滑化などシス
テム連携の強化やシステムの共同利用の推進が求められる。こうした取組は、住
民サービスの向上のみならず、業務の効率化や行政保有情報の統一的なオープン
データ化にもつながるものである。
地方公共団体が共同で利用できるシステムとしては、デジタル庁が提供する「補
助金申請システム(Jグランツ)」などがあり、今後、国においてこのような共
通基盤システムを構築する場合、設計段階から地方公共団体の意見を十分に聞く
機会を設けるとともに、構築後も各地方公共団体が必要に応じて追加機能を利用
できるよう、国費により随時システムのアップデートを行うべきである。
また、法人に付番するIDとしては、GビズIDが設けられているが、法人の
事業所ごとに付番するIDがないため、事業所単位で申請・交付等が必要な行政
手続においても、法人IDを利用する必要があるため、利用者にとっては手続に
手間がかかり使いにくいものとなっている。また、国の「補助金申請システム(J
グランツ)」は振込口座情報がないため補助金の速やかな支給をすることができ
ないことや、システムの仕様上GビズIDを取得することで本人認証を行うもの
となっていることから、個人を対象とした補助金申請については、本システムを
活用して申請・交付手続を行うことができないといった課題がある。
加えて、行政手続法第15条第3項では、不利益処分の名あて人となるべき者
の聴聞の通知に当たり、「不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しな
い場合」の公示送達の方法として、公示事項を事務所の掲示板に掲示することを
規定している。公示送達の手続においてもデジタル化を進めたいところであるが、
現行法で対応可能なデジタル化の方法やインターネット上に公開する場合のプラ
イバシー配慮の観点を踏まえた公示事項の範囲等について具体的な方針を示すな
ど速やかに必要な措置を講ずるべきである。
さらに、行政手続のデジタル化以外にも、地方公共団体と民間事業者等との協
働により、地域の実情に応じてデジタル技術を活用したスマートサービスの実装
を進める取組も始まっている。こうした先進的なデジタル化の取組が各地域で活
発に進むよう、各団体の自主性を尊重した上で、国が積極的に後押しするべきで
ある。
令和3年度補正予算において創設された「デジタル田園都市国家構想推進交付
金」は、令和4年度には地方創生推進交付金及び地方創生拠点整備交付金と併せ
て新たに「デジタル田園都市国家構想交付金」として位置付けられ、デジタル田
園都市国家構想の実現に向け分野横断的に支援することとされた。新たな交付金
の創設に当たっては、地域の実情に応じて、より柔軟に活用できる制度とするべ
きである。
また、地方公共団体情報システム機構が地方公共団体組織認証基盤(LGPK
I)により認証された電子署名を付与した電子文書について、当該文書を受領し
た側(受信者等)の環境下によっては、電子署名の有効性(真正性)を確認する

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