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令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求 (335 ページ)

公開元URL https://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/collaboration/PDF/r6_zenki.pdf
出典情報 令和6年度 国の施策及び予算に対する東京都の提案要求(6/15)《東京都》
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<現状・課題>
ロシア・ウクライナ情勢によりエネルギーの安定供給がいともたやすく脅かさ
れている中、資源の少ない我が国におけるエネルギーの課題を改めて認識した上
で、エネルギーの産業の構造を変えるような取組を今から実行し、「脱炭素社会」
を実現することが求められている。
水素は利用の段階で水しか排出せず、エネルギー供給の多様化や非常時対応な
ど、多くの優れた特徴を有している。水素関連技術は、運輸・家庭・業務など様
々な分野での省エネ化に寄与するほか、将来的には、発電や産業、電化が困難な
熱エネルギーなどを含めた幅広い分野での脱炭素化に貢献できる。
また、水素は長期間、大量にエネルギーを貯蔵することが可能であり、今後再
生可能エネルギー由来電力が大量導入された際の調整力としても有望である。
脱炭素社会を実現するためには、再生可能エネルギーの基幹エネルギー化に加
え、再生可能エネルギー由来の電力を利用して水を電気分解して生成されるCO₂
フリーであるグリーン水素をその柱とし、本格活用する必要がある。
国では、令和5年2月に「GXに向けた基本方針」を決定し、令和5年6月に
は、「水素基本戦略」が改定され、加えて、「水素産業戦略」も示された。また、
令和5年3月には「水素保安戦略(中間とりまとめ)」も公表された。
現在、家庭用及び業務・産業用燃料電池や燃料電池自動車・バスなど、水素エ
ネルギー利活用機器の市場投入や水素ステーション等のインフラ設備導入が進ん
でいるが、今後は更にこの流れを加速し、水素エネルギーの大幅な利用拡大を図
ることが求められている。
しかし、水素エネルギーの普及・拡大に当たっては、様々な課題があり、コス
ト低減や購入費用の負担軽減、技術開発、規制緩和、サプライチェーンの構築、
グリーン水素の供給、国民の理解促進等を進めていかなければならない。
よって、水素社会の実現に向けて、政府に対し、次の事項を実現するよう強く
求める。
<具体的要求内容>
(1)改定後の「水素基本戦略」を踏まえ、早期の水素エネルギーの実装化や水
素社会を実現するための規制緩和や支援策等、強力に推進するための施策に
ついて、具体的なロードマップを作り、国が率先して実施すること。また、
日本の水素技術を世界に展開するための後押しとなる産業戦略を迅速かつ
着実に実施すること。「水素保安戦略(中間とりまとめ)」による安全の確
保を前提とした水素利用に関する規制の合理化・適正化、水素利用を促す環
境整備などについても、実現への筋道を明確化した上で具体的な対応内容を
公表すること。
また、「グリーンイノベーション基金」も活用しながら、大規模な水素需
要の創出、大量かつ安定的な水素供給の確立に向けた取組、技術開発支援な
ど、社会実装化に向けた取組を加速すること。その際、東京など水素の利活
用ポテンシャルの高いエリアで重点的に活用する方向を示すこと。
加えて、水素の活用による熱の脱炭素化の検討を進めるとともに、燃料電
池の多用途活用、水素の燃焼での利用、産業・発電分野での利用など、様々

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