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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (100 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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特異度が高い。POLG、PDHA1、SURF1などのミトコンドリア関連分子をコードする核遺伝子の病的バリ
アントを認める(Gorman GS, et al. Nature Reviews Disease Primers 2, Article number: 16080, 2016; Frazier
AE, et al. J Biol Chem 294:5386-5395, 2019 等を参照)。ここでいう病的バリアントとは以下のものをいう。
・The American College of Medical Genetics and Genomics(ACMG)の基準(Richards S, et al. Genet Med
17:405, 2015)で、pathogenic もしくは likely pathogenic と判定されたもの。
・ミトコンドリア DNA の単一欠失・多重欠失等の構造異常、m.3243A>G、m.3271T>C、m.8344A>G、
m.8993T>G、m.8993T>C、m.9176T>C、m.11778A>G、m.13513G>A バリアント等の点変異で、病因的と報
告されている(MITOMAP などを参照)、もしくは病理・生化学的に病因と証明された質的異常があるもの。
・罹患臓器でミトコンドリア DNA の量的異常(正常の 20%以下)があるもの。
(イ)病理検査
特異度が高い。骨格筋病理における、酵素活性低下、又は赤色ぼろ線維(ゴモリ・トリクローム変法染色
における RRF: ragged-red fiber:RRF)、高 SDH 活性血管(コハク酸脱水素酵素における SSV:strongly
SDH-reactive blood vessel:SSV)、シトクロームc酸化酵素欠損線維、電子顕微鏡によるミトコンドリア病
理学的異常を認める。または、骨格筋以外でも症状のある臓器野の細胞・組織のミトコンドリア病理異常
を認める。核の遺伝子変異の場合は、培養細胞などでミトファジーの変化や融合・分裂の異常等を確認
する。
(イウ)酵素活性・生化学検査
特異度が高い。特異度が高い。罹患組織や培養細胞を用いた酵素活性測定で、電子伝達系、ピルビン
酸代謝関連 及び TCA サイクル関連酵素、脂質代謝系関連酵素などの活性低下(組織:正常の 20%
以下、培養細胞:正常の 30%以下)を認める。または、ミトコンドリア DNA の転写、翻訳の低下を認める。

(ウ)DNA 検査
特異度が高い。病因的と報告されている、又は証明されたミトコンドリア DNA の質的異常である欠

失・重複、点変異(MITOMAP:http://www.mitomap.org/などを参照)や量的異常である欠乏状態(正
常の 20%以下)があること、又は、ミトコンドリア関連分子をコードする核遺伝子の病的変異を認め
る。
(エ)心症状の参考所見
心電図で、房室ブロック、脚ブロック、WPW 症候群、心房細動、ST-T 異常、心房・心室負荷、左室側高電
位、異常 Q 波、左軸偏位を認める。心エコー図で、拡張型心筋症様を呈する場合は左心室径拡大と駆

出率低下を認める。、非拘束性肥大型心筋症様を呈する場合は左室肥大を認める。、拡張相肥大型
心筋症、拘束型心筋症様を呈する場合は、心房の拡大と心室拡張 、左室緻密化障害を認める。心筋
シンチグラムで、MIBI 早期像での取り込み低下と洗い出しの亢進、BMIPP の取り込み亢進を認める。
(オ)腎症状の参考所見
蛋白尿(試験紙法で1+(30mg/dL1+(30 mg/dl)以上)、血尿(尿沈査で赤血球5 5 /HPF 以上)、汎ア
ミノ酸尿(正常基準値以上)を認める。血中尿素窒素の上昇( 20mg/dL20 mg/dl 以上)、クレアチニン値
の上昇(2mg/dL2 mg/dl 以上)を認める。
(カ)血液症状の参考所見
強度の貧血 (Hb 6g/dL6 g/dl 以下)、もしくは汎血球減少症(Hb 10g/dL10 g/dl、白血球 4000/µLμl 以
下、血小板 10 万/µL μl以下)を認める。