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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (953 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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新生児マススクリーニングでは C10 の上昇によってスクリーニングされるが、実際には短鎖~長鎖アシル
カルニチンが広範に上昇するプロフィールが特徴である。再検査、精密検査時はこれらの所見にも十分に留
意してアシルカルニチン全体のプロフィールを俯瞰する必要がある。重症例はマススクリーニング以前に発症
する。この場合、一見長鎖脂肪酸代謝異常症の様なアシルカルニチンプロフィールとなることがある。
タンデムマス検査本疾患の軽症型では、ろ紙血アシルカルニチン分析(タンデムマス検査)で異常を検出
できないことが多く、感度の良い血清アシルカルニチン分析が有用である。しかし、アシルカルニチン分析の
みでは生化学診断は困難であるので、軽度であっても異常が続く場合は、漫然と再検を繰り返すのではなく、
確定診断のための検査が推奨される。
②尿中有機酸分析所見
複数の脱水素酵素反応が障害されることによって非ケトン性ジカルボン酸尿、エチルマロン酸尿、ヘキサ
ノイルグリシン、スベリルグリシン、イソバレリルグリシン、メチルブチリルグリシン、グルタル酸、2-ヒドロキシ
グルタル酸などの排泄増加がみられる。
③遺伝子解析
GA2 の原因となる遺伝子に ETFA、ETFB 及び ETFDH があり、それぞれは ETFα 、ETFβ 及び ETFDH
に対応する。本疾患では遺伝子型と表現型にある程度の明らかな対応はない相関があると言われており、

ETFDH の変異症例には乳幼児期以降に発症する例が多い傾向はがある。
④酵素診断
イムノブロッティング:培養皮膚線維芽細胞を用いて、ETFα 及び ETFβ 、ETFDH の蛋白発現を評価するこ
とで確定診断ができる。
⑤脂肪酸代謝能検査(in vitro probe assay による)
タンデムマスを用いて、培養皮膚線維芽細胞の培養液中のアシルカルニチン分析を行う方法である。間
接的に酵素活性を反映した結果を得ることができる。臨床病型の予測などが可能とされる。ただし、皮膚生検
を行い結果まで2~3か月を要することもあり、確定診断には補助的な役割と位置づけできる。
4.診断のカテゴリー
Definite:診断の根拠となる検査のうち②において本症と診断可能な典型的異常所見を示すか③~⑤の少な
くとも一つで疾患特異的異常を認めるとき、Definite とする。
Possible:①のタンデムマス・スクリーニングのプロフィール血中アシルカルニチン分析で本疾患が疑われれば
Possible とする。タンデムマス検査ただし、アシルカルニチン分析のみでは生化学診断は困難であ
るに至らない。上記に加え、②で明らかな異常所見を認めた場合は、治療を開始する。