参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1184 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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診断に筋生検が必須脂肪酸代謝異常症ではないが、見られる筋生検の組織学的所見から脂肪酸代謝
異常症が疑われる(赤色ぼろ線維や Oil red O 染色での強反応等)を認めることがある。
C.診断の根拠となる特殊検査
1.血中アシルカルニチン分析
長鎖アシルカルニチン、C16、C16:1、C18、C18:1 とそのヒドロキシ体 C16-OH、C18:1-OH 等の上昇が特
徴である。新生児マススクリーニングでの診断指標は、ろ紙血において C16-OH>0.05 上昇かつ C18:1-OH
>0.05(施設によって若干異なる)。二次検査上昇である。本疾患では、ろ紙血および血清での検査の方が
用いられる。ろ紙での検査よりも感度が高いため、血清での精密検査を行うべきである。遅発型の一部で
は安定期のタンデムマス所見では非発作時の血清アシルカルニチン分析においても生化学的異常が乏し
いことに注意が必要である。
2.尿中有機酸分析
低血糖発作時には非又は低ケトン性ジカルボン酸尿(特に 3-ヒドロキシジカルボン酸を含む。)を示す。
間歇期などは所見がない場合が多いと思われる。
3.酵素学的診断
培養皮膚線維芽細胞などを用いた LCHAD 活性、3-ケトパルミトイル CoA(3-ketopalmitoyl-CoA)を用い
たチオラーゼ活性測定がなされる。
4.3.脂肪酸代謝能検査(in vitro probe assay (β 酸化能評価プローブアッセイ)
培養リンパ球や培養皮膚線維芽細胞を用いた in vitro probe assay プローブアッセイでは、培養上清のア
シルカルニチンを分析することによって、細胞の脂肪酸代謝能を評価する。疾患特異的なアシルカルニチン
プロファイルを確認でき、酵素診断に準じるできる。
54.イムノブロッティング
酵素に対する抗体を用いたイムノブロッティングでタンパクの欠損や明らかなタンパク量の減少により診
断する。
D.遺伝子解析
HADA、HADB 遺伝子の解析を行う。本邦では5名報告があるが全て HADB 遺伝子の変異であった。日本
人のコモン変異はまだ同定されていない。
本疾患の責任遺伝子である HADHA、HADHB 遺伝子の解析を行う。わが国では本疾病について、HADHA 遺
伝子変異、HADHB 遺伝子変異ともに報告されている。いずれの遺伝子変異であっても臨床症状に明らかな違
いは見られないとされる。白人の LCHAD 欠損症では HADHA 遺伝子の c.1528G>C の変異が多く報告されてい
る。本疾患の遺伝子解析は保険適用となっている。
<診断のカテゴリー>
Definite:
(Definite
(1)) 発症前型以外でについては、①及び②を満たすとき
① A又はBの1~61項目以上を認め、かつCの1を認める