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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (91 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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正常化するが、発症した神経症状を抑制する効果は乏しいと考えられる考えられている。その他、AMN や
女性発症者の痙性対麻痺症状には対症療法として、症状に応じた抗痙縮薬内服や理学療法を行う。副腎
不全に対してはステロイドステロイド剤の補充が行われる(ただし、ステロイドステロイド剤は神経症状には
無効である)。
5.予後
小児大脳型、成人大脳型は、無治療の場合、発症後、急速に進行し寛解なく、1~2年で臥床状態に至
ることが多い。大脳に脱髄病変を認めない AMN 症例は緩徐進行性の経過をとり、生命予後は良好である。
ただし、経過中に成人大脳型に移行し、急速な進行を認める例があり、注意が必要である。小脳・脳幹型で
も成人大脳型に移行することがある。またアジソン型も AMN や大脳型に進展することがあり、注意を要す
る。
未発症男児に関しては、現時点では病型の予測が不可能であるため、副腎機能検査と、大脳型発症
が示唆された段階でスムーズな造血幹細胞移植を実施するために、発症前の段階から慎重な follow-up 体
制をとることが大脳型の予後改善に重要である。
そのためにも、本症の発端者からの遺伝カウンセリングや家系内の未発症男児への積極的な対応情
報提供などを、倫理面に十分な配慮をしながら進めていく必要がある。また神経症状の出現前に MRI で脱
髄病変が見出されることが多いことから、診断後、特に3歳2歳から 12 歳の未発症男児に対しては最低6
か月に1回の MRI、神経生理学的検査(視覚誘発電位及び聴性脳幹反応)、6か月から1年に1回の神経
心理学検査(Wechsler 系知能検査他)、更に 12 歳以降では1年ごとの MRI 検査が必要と考える。いずれか
の検査で大脳型の発症が示唆された(所見の進行があった)場合には、早急に造血幹細胞移植を検討す
べきと思われる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
193249 人
2.発病の機構
不明(ABCD1 遺伝子の変異機能不全により蓄積した飽和極長鎖脂肪酸の関与が示唆されているされる。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治療法なし。)大脳型,小脳・脳幹型については発症早期の造血幹細胞移植。副腎不全に対し
てはステロイド剤の補充療法
4.長期の療養
必要(進行性である。)
5.診断基準
あり
6.重症度分類
臨床経過による病型分類を用いて、全ての病型を対象とする。
○ 情報提供元