参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (896 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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ペルオキシソーム形成異常症の診断基準
A.症状
各臨床病型の所見は以下の通りである。
1~3は 12 個の PEX 遺伝子のどれかに異常をもつツェルベーガースペクトラムとして、臨床的重症度の違い
により、分類されている。4の根性点状軟骨異形成症1型は PEX7 遺伝子異常による。
1.ツェルベーガー症候群
出生直後よりの筋緊張低下、前額突出・大泉門開大・鼻根部扁平・内眼角贅皮・眼間開離・小顎などの顔
貌異常、白内障や緑内障、角膜混濁、網膜色素変性などの眼科的異常、月齢とともに著明になる肝腫大、腎
皮質小嚢胞、関節の異常石灰化に哺乳障害、重度の精神運動発達遅滞、けいれんを呈する。また肝機能障
害も伴い、トランスアミナーゼの高値、直接・間接ビリルビンの高値、凝固因子の低下などが経過とともに進行
し、多くは乳児期前半に死亡する。
2.新生児型副腎白質ジストロフィー
ツェルベーガー症候群より臨床的に軽症で、顔貌異常も軽微で、出生時の筋緊張低下や眼科的異常、難
聴、肝腫大の頻度やその程度も若干軽い。精神運動発達も数か月レベルまでは認めて、その後退行する。ま
た腎嚢胞、関節の石灰化は認めない。ただ新生児けいれんに関してはツェルベーガー症候群より重症で、脳
波でヒプスアリスミアを認める症例もあり、抗けいれん剤にても極めて難治である。幼児期前半まで生存す
る。
3.乳児レフサム病
ツェルベーガースペクトラムの中で臨床的に最も軽症型にあたり、症状の発症や程度も軽い。生後半年以
降に気づかれる軽度の顔貌異常や肝腫大以外には、発達も1歳頃までは比較的順調で、伝い歩きから独
歩、言語も有意語から会話可能な例もみられる。その後、筋緊張低下や失調歩行から退行を来たし、視覚・
聴覚異常も明らかになる。網膜色素変性症や感音性難聴は最終的にはほぼ全例に認める。成人生存例も存
在する。
4.根性点状軟骨異形成症1型(RCDP type1)
近位優位な対称性の四肢短縮症と関節の点状石灰化、小頭症、前額突出や鼻根部扁平などの異常顔
貌、白内障、重度の精神運動発達遅滞、成長障害を呈し、多くはけいれんや呼吸器感染を繰り返して1、2歳
までに死亡する。また皮膚所見として 1/3 程度に魚鱗癬を認める。
B.検査所見
1.血中ペルオキシソーム代謝産物の測定(診断マーカー)
①極長鎖脂肪酸