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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (518 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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105 チャージ症候群
○ 概要
1.概要

CHD7 遺伝子のヘテロ変異により発症する多発奇形症候群である。発症頻度は、出生児 20,000 人に
1人程度に発症する希少疾患である。C-網膜の部分欠損(コロボーマ)、H-心奇形、A-後鼻孔閉鎖、R-成
長障害・発達遅滞、G-外陰部低形成、E-耳奇形・難聴を主症状とし、これらの徴候の頭文字の組み合わせ
により命名されている。
2.原因
チャージ症候群の原因遺伝子は、8番染色体 8q12.1 に存在する Chromodomain helicase DNA binding
protein-7(CHD7)であるが、多系統にわたり障害が発症する機序は不明である。
3.症状
①成長障害や精神発達遅滞はほぼ必発である。成長障害は出生後に顕著となる。一部の症例に成長ホル
モン分泌不全を伴う。
②70%程度に先天性心疾患を認める。
③顔面の非対称性(顔面神経麻痺症状)を認める。左右の耳介の形態も異なることが多い。眼険瞼下垂、
上額前上顎部の低形成(Premaxillary Underdevelopment)、下顎低形成(PierreRobin シークエンス)、口
唇口蓋裂などの合併あり。これらの奇形に加えて、咽頭・喉頭の協調運動の低下により、 哺乳障害・嚥
下障害を来す。
④片側ないし両側性の虹彩・網膜・脈絡膜・乳頭のコロボーマ(欠損)はほぼ必発である。
⑤耳垂の無又は低形成などの耳奇形に加え、感音性・伝音性又は混合性難聴を認める。
⑥膜性・骨性の後鼻孔閉鎖(狭窄)を認める。口蓋裂の合併例も多く、その場合には後鼻孔閉鎖を認めな
い。
⑦停留精巣・尿道下裂,陰唇の低形成・二次性徴の欠如など性器低形成(~70%)
4.治療法
多臓器に合併症を来すため、多面的な医療管理を必要とする。乳幼児期早期の生命予後を決めるの
は先天性心疾患と呼吸器障害である。速やかに、気道(後鼻孔・口蓋・喉頭・気管)、心臓の評価と治療を
進める。必要に応じて、後鼻孔閉鎖・狭窄に対する外科的治療を行う。喉頭の構造異常等により上気道閉
塞を生じる場合には気管切開を行う場合もある。多くの患者では嚥下機能が低下しており、周術期には誤
嚥に注意する。成長障害・発達遅滞を合併することから栄養・成長・療育等の問題について、早期介入・継
続的なフォローを必要とする。哺乳障害・摂食障害が続く場合には経管栄養・胃瘻造設をおこなう。
5.予後
成長障害・発達遅滞に加えて視力障害、心不全・チアノーゼ、呼吸障害、性腺機能不全、難聴などを合