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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1158 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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312 先天性僧帽弁狭窄症
○ 概要
1.概要
僧帽弁の狭窄により左房から左室への血液流入に支障を来す先天性心疾患。先天的な弁輪の低形成、
弁上狭窄輪、弁又は弁下組織の構造異常などに起因する。単独で発症することもあるし、他の左心系閉塞
疾患(大動脈弁狭窄、大動脈縮窄など)との合併例もある。新生児期、乳児期より症状を呈する場合には早
期からの治療介入が必要で、予後不良であることが少なくない。治療は、カテーテル治療か手術を行う。カ
テーテル治療は困難なことが多い。
2.原因
原因不明。先天的に僧帽弁輪や、乳頭筋、腱索の構造異常がある。
3.症状
肺静脈うっ血による肺水腫、肺高血圧を来し、体重増加不良、頻回の呼吸器感染症といった症状を呈す
る。進行すると心拍出量低下、浮腫などの右心不全症状が現れる。心房細動をはじめとする不整脈を呈す
ることもある。
4.治療法
肺うっ血に対して利尿薬などの薬物療法が行われる。高度の狭窄に対してはカテーテル治療か手術が
行われる。先天的な構造異常に起因する場合、弁形成が困難で弁置換が選択されるが、体格が小さい場
合には適したサイズの人工弁がないため置換術も困難である。根治的な治療はなく、成人期以降について
も、継続的に利尿薬、末梢血管拡張薬を服用し、経過観察が必要である。
5.予後
幼少児期より症状を呈する重症例では予後不良である。弁輪狭小で、生涯、肺高血圧が持続することが
あり、症状は小児から成人まで持続する。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数(令和元年度医療受給者証保持者数)
約 100 人未満
2. 発病の機構
不明(先天性で、発病の機構は不明)
3. 効果的な治療方法
未確立
4. 長期の療養
必要(生涯にわたる治療・管理が必要)
5. 診断基準
あり(学会が作成、承認した診断基準)