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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (933 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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5.予後
フェニルアラニン値が上昇すると精神症状が不可逆的に進行するため、定期的に知能発達検査(3歳乳幼
児までは津守・稲毛式など新版 K 式、学童以降は WISC-IV が推奨されるが、その他の発達指数の簡易な検
査、3歳以後は知能指数の検査でも代用可)を行う。また適宜、脳波検査と脳 MRI などの画像検査を行うこと
が望ましい。食事療法は少なくとも成人になるまで継続すべきであり、一生成人後も生涯続けていく必要があ
る。中学生以降でも可能な限りあり、妊婦を含む全年齢で血中 Phe 値を 10mg2~6mg/dL 以下(120~360μ
mol/L)に維持することが望ましいを目標とする。患者が女性の場合、妊娠中の高 Phe 血症は、胎児に、小頭
症や心奇形など重篤な影響を与える(マターナル PKU:母性 PKU)。これを予防するには、PKU 患者が妊娠
を希望する場合、低タンパク食と特殊治療ミルクにより、受胎前より Phe 制限食を開始し、から全妊娠期間を
通じて血中 Phe 値を上記内に厳格にコントロールすることが必要である。患者が BH4 反応性である場合には、
BH4 療法が母性 PKU に対しても有効と考えられる報告されているが、安全性についての結論は確立されて
まだ出ていない。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(令和元年度医療受給者証保持者数)
約 500227 人
2.発病の機構
不明
3.効果的な治療方法
未確立(食事療法によって Phe の摂取を制限し体内の Phe とその代謝産物の蓄積を改善させる。)
4.長期の療養
必要(生涯にわたる食事療法が必要である。)
5.診断基準
あり(研究班作成の診断基準。)
6.重症度分類
先天性代謝異常症の重症度評価を用いて、中等症以上を対象とする。
○ 情報提供元
「新しい新生児代謝厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業)
「新生児スクリーニング時代に適応した対象疾患等の先天代謝異常症の診断基準作成と治療ガイドラインに
おける生涯にわたる診療体制の作成および新たな薬剤開発整備に向けた調査関する研究」 班
研究代表者

熊本大学生命科学研究部小児科学分野 大学大学院 教授 遠藤文夫 中村公俊