参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (67 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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陽性
ただし、他の疾患(※)の厳格な鑑別が必要である。
C)二次性進行型 MS の診断
再発寛解型としてある期間経過した後に、明らかな再発がないにもかかわらず病状が徐々に進行する。
2.視神経脊髄炎(NMOSD)
歴史的にはデビック(Devic)病とも呼ばれ、重症の視神経炎と横断性脊髄炎を特徴とする。視神経炎は失
明することもまれではなく、視交叉病変により両眼性視覚障害を起こすこともある。また、脊髄炎は、MRI 矢状断
ではしばしば3椎体以上に及ぶ長い病変を呈し、軸位断では慢性期には脊髄の中央部に位置することが多い。
アクアポリン4抗体(AQP4 抗体)は NMOSD に特異的な自己抗体であり、半数 80%以上の症例で陽性である。
NMOSD の診断基準として 20062015 年の Wingerchuk らによる International Panel の基準が広く用いられてい
る。
A) Definite AQP4 抗体陽性 NMOSD の診断基準(Wingerchuk ら, 2006) a、b、c の全てを満たす
a.
主要臨床症候(①~⑥)のうち 1 つ以上の症候がみられる
b.
AQP4 抗体の検査結果が陽性
c.
他の疾患(※)を除外できる
主要臨床症候
① 視神経炎(ON)
② 急性脊髄炎
3つの支持基準のうち少なくとも2つ
③
1.3椎体以上に及ぶ連続的最後野症候群(APS):他で説明のつかないしゃっくり又は嘔気及び嘔吐
の発作
④ 急性脳幹症候群
③⑤ 症候性ナルコレプシー、又は NMOSD に典型的な脊髄間脳の MRI 病変を伴う急性間脳症候群
④⑥ 2.MS のため NMOSD に典型的な脳の脳 MRI の基準(*)病変を満たさない伴う症候性大脳症候群
3.
B) AQP4 抗体陽性
*脳 MRI 基準は Paty の基準(4個以上の病変あるいは3個の病変があり、そのうち1個は脳室周囲にある。)と
する。
しかし、AQP4 抗体陽性症例には、上記の Wingerchuk の基準を満たす視神経炎と横断性脊髄炎の両者を有
する症例だけではなく、視神経炎あるいは脊髄炎のいずれか一方のみを呈する症例もある。また、種々の症候
性あるいは無症候性脳病変を呈することもまれではない。そこで、AQP4 抗体陽性で急性炎症性中枢性病変を
伴う場合は、他の疾患が除外されれば、NMOSD に加える。NMOSD ではオリゴクローナル IgG バンドはしばしば