よむ、つかう、まなぶ。

MC plus(エムシープラス)は、診療報酬・介護報酬改定関連のニュース、

資料、研修などをパッケージした総合メディアです。


参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1051 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
低解像度画像をダウンロード

資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。

285 ファンコニ貧血
○ 概要
1.概要
染色体の脆弱性を背景に、1)進行性汎血球減少、2)骨髄異形成症候群や白血病への移行、3)身体奇
形の先天異常、4)固形がんの合併を来すことのある血液疾患である。
2.原因
DNA の修復に働く 1922 のファンコニ貧血責任原因遺伝子がこれまでに同定されている。1つ2つを除い
て常染色体潜性遺伝(劣性の遺伝)形式をとるが(例外は X 染色体連鎖(FANCB)と常染色体上のデノボド
ミナントネガティブ変異(FANCR))、発病の機構は明らかではない。本邦では約 70%に近年,DNA 架橋を
形成する内因性因子としてアルデヒドが注目されており、ファンコニ患者では造血幹細胞におけるアルデヒ
ド蓄積によるゲノム障害が修復できず、骨髄不全が進行する可能性が示唆された。本邦では約 90%にい
ずれかのファンコニ貧血原因遺伝子の変異が同定されている。
3.症状
皮膚の色素沈着、身体奇形の先天異常、低身長、性腺機能不全を伴うが、その表現型は多様である。
小児期に進行性の汎血球減少症を発症し、思春期から成人期にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性
白血病への移行がみられることが多く、成人期に頭頚部などの発癌発がんリスクが増加する。一部のファ
ンコニ貧血遺伝子の異常では幼小児期に小児がんや白血病を発症することがある。
4.治療法
造血不全、造血器腫瘍に対しては造血細胞移植が唯一治癒を期待できる治療である。固形がんの化学
療法は困難であり、手術療法が主体となる。身体奇形の先天異常は外科的手術を施行する。
5.予後
10 歳までに 80%以上、40 歳までに 90%以上の患者は、再生不良性貧血を発症する。思春期から成人
期にかけて骨髄異形成症候群や急性骨髄性白血病への移行がみられることが多く、20 歳を超えると頭頚
部などの発癌発がんリスクが増加し予後不良である。