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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (93 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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<診断基準>
Definite を対象とする
1.主要症状および臨床所見
各病型(表)で高頻度に認められる所見は以下のとおりである。
①精神症状
小児では注意欠陥多動障害や心身症と類似した症状を呈する。成人では社会性の欠如や
性格変化、精神病に類似した症状などを呈する。
②知能障害
小児では学習障害、視力・聴力・認知・書字・発語などの異常が現れる。成人では、認知症、
知的機能の低下、高次機能障害(失語、失行、失認)などを呈する。
③視力低下
初発症状として多い。視野の狭窄、斜視、皮質性の皮質盲などを呈する。(皮質盲の場合,周りが気づく
のが
遅れがちになることに注意する)。
④歩行障害
痙性対麻痺(痙性対麻痺を呈することが多いが、ときに左右差を認めることもある。)による歩行
障害を呈する。
⑤錐体路徴候
四肢の痙性、腱反射の亢進、病的反射陽性で、どの病型においても高頻度に認められる。
⑥感覚障害
表在及び深部知覚障害。AMNでは、脊髄性の感覚障害を示す例が多い。
⑦自律神経障害
排尿障害、陰萎などを呈する。
⑧副腎不全症状
無気力、食欲不振、体重減少、色素沈着(皮膚、歯肉)、低血圧などを呈する。
2.参考となる検査所見
(1)極長鎖脂肪酸分析
C26:0、C25:0、C24:0などの極長鎖脂肪酸の増加を認める。血清スフィンゴミエリン、血漿総脂質、赤血
球膜脂質などを用いて分析する。極長鎖脂肪酸の蓄積の程度と臨床病型の間には相関性はない。女性
保因者の約80%で極長鎖脂肪酸の増加を認める。
参考値(血清スフィンゴミエリンC26:0/C22:0)
小児型ALD

0.0260 ± 0.0084

(n=47)

正常コントロール

0.0056 ± 0.0013

(n=710)

(2)画像診断(頭部MRI、頭部CT)
小児大脳型、思春期大脳型、成人大脳型では、大脳白質の脱髄部位に一致して、CTでは低吸収域、
MRI T2強調画像、FLAIR画像では高信号域を認める。病変の分布は後頭葉白質、頭頂葉白質の側脳室
周辺部、脳梁膨大部が多いが、まれに前頭葉白質から脱髄が始まる例もある。