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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (138 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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(注2)免疫染色により ATTR (+)、Alκ (-)、Alλ(-)、AA (-)を確認すること、もしくは、質量分析法(LMD-LCMS/MS)でアミロイド原因蛋白を確認する。自施設での実施が困難な場合は、「アミロイドーシスに関する調査研
究班(http://amyloidosis-research-committee.jp/)」に解析依頼が可能である。
(注3)3時間後撮影正面プラナー画像を用いた視覚的評価法(Grade 0 心臓への集積なし、Grade 1 肋骨よりも弱
い心臓への軽度集積、Grade 2 肋骨と同等の心臓への中等度集積、Grade 3 肋骨よりも強い心臓への高度集積:
Grade 2 以上を陽性とする)、あるいは1時間後撮影画像の定量的評価法(heart-to-contralateral [H/CL]比:1.5
以上を陽性とする)等により評価する。
(注4)免疫グロブリン遊離軽鎖(フリーライトチェイン)κ/λ比に異常を認めない。加えて、血清免疫固定法、尿中 M
蛋白(免疫固定法)を解析し、M 蛋白が検出されないことを確認する。

3.遺伝性トランスサイレチン (ATTRv) アミロイドーシス診断基準]
全身性アミロイドーシスの中で、原発性アミロイドーシスと多発性骨髄腫に合併するアミロイドー
シスの半数以上に皮膚症状がみられ、診断の手がかりになる。アミロイドの沈着しやすい眼瞼、
頸、頭、外陰及び肛門周囲に、沈着量に応じて米粒大位の丘疹から大きな腫瘤まで生じる。硬く、
黄色調を帯び、しばしば紫斑を伴う。強皮症様に硬くなることもある。

(3)生検
皮膚・腎などで疑わしい病変があれば生検する。そのような部位がなければ内視鏡下の胃・十二指腸生
検、直腸生検が望ましい。胃生検は胃前庭部で粘膜筋板以下まで深めにとることが重要であり、十二指
腸では球部後壁から採取する。また、従来から行われている直腸生検では浣腸後(通常はグリセリン浣
腸液120mLでよい)、直腸後壁から粘膜下組織を含む小片をとる。また近年、腹壁の脂肪吸引生検
(abdominal fat aspiration biopsy)が広く行われている。臍周囲部の腹壁を局麻後、18ゲージの注射針で
脂肪層を強く吸引して脂肪滴を得て、スライドガラス上に脂肪滴を数個載せて2枚のスライドガラスで押
しつぶすようにして塗抹標本を作製し、乾燥後に検討を行う。生検組織は、ヘマトキシリン・エオシン染色
のほかにアルカリコンゴ赤染色をし、またその標本を偏光顕微鏡下で観察する。偏光観察には簡単に普
通顕微鏡に装着できる偏光板が安価で市販されている。アミロイドは、緑色の強く輝く複屈折を呈する。
免疫組織化学的染色でAL、AA、トランスサイレチンを証明することができる(もし、不可能ならば専門家
に連絡することが望ましい。)。電子顕微鏡観察も有用であり、それが不可能ならば小片を2%グルター
ルアルデヒドで固定し、4℃に保存して、専門家に連絡することが望ましい。
(4)免疫グロブリン性、反応性AA及び老人性TTRアミロイドーシスの疑いのある患者で避けるべき検査
①肝生検
出血の危険がある。
②多量のベンス・ジョーンス蛋白尿があるときはIVP(経静脈腎孟撮影)で無尿を誘発する危険がある。
(5)診断のカテゴリー
①Definite
生検で陽性。
②Probable
主要症状及び所見のうち(a)~(k)の1つ以上を認め、かつ(l)が陽性の場合は免疫グロブリン性(原発
性)アミロイドーシスが疑われる。
③Possible
主要症状及び所見のうち(a)、(b)の1つ以上が存在する場合は一応免疫グロブリン性、反応性AAある
いは老人性TTRアミロイドーシスの可能性を考慮してみる。