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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (775 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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190 鰓耳腎症候群
○ 概要
1.概要
鰓耳腎(Branchio-oto-renal:BOR)症候群は、頸瘻・耳瘻孔・外耳奇形などの鰓原性奇形、様々な
タイプの難聴、腎尿路奇形を3主徴とする症候群である。時に顔面神経麻痺を認めることがあるが、一般に
知的発達は正常である。本症候群では難聴への早期介入が患者の言語発達を改善し、また腎症状の重症
度が生命予後を左右する。
2.原因
常染色体顕性遺伝(優性遺伝)形式をとる遺伝性疾患である。腎臓、第2鰓弓に発現する EYA1 遺
伝子の変異が約 40%の頻度で認められる。SIX1、SALL1、SIX5 遺伝子変異も原因であるが、極めて頻度
は低い。約半数で原因遺伝子が不明である。
3.症状
頸瘻・耳瘻孔・外耳奇形などの鰓原性奇形、難聴、腎尿路奇形を3主徴とする。一般に知的発達
は正常である。本症候群は先天性の高度難聴や小児期腎不全の重要な原因であり、小児高度難聴の約
2%を占めるとされている。鰓原性奇形、難聴のみを呈することもあり、同一家系内で同じ遺伝子変異を持
つ場合でも、その表現型はさまざまであることが多い。難聴は伝音性、感音性、混合性いずれのタイプもと
り、治療可能なことも少なくない。そのため早期診断が重要である。腎症状はみられないこともあるが、重症
な腎低形成のために生後早期に死亡した例もある。
4.治療法
特異的な治療法はない。先天性難聴に対しては、補聴器装着や人工内耳造設を行うことで聴力が
改善することがある。腎不全に進行した場合には、透析や腎移植が必要である。頸瘻孔・耳瘻孔などに感
染を繰り返す場合には、瘻孔切除術を行う。
5.予後
予後はさまざまであるが、腎障害が最も重要である。聴力異常への早期介入により、言語発達の改善
も期待できる。