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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (167 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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病型分類(沼野らによる分類)
I 型:大動脈弓分岐血管
II a 型:上行大動脈、大動脈弓及びその分岐
II b 型:IIa病変+胸部下行大動脈
III 型:胸部下行大動脈、腹部大動脈、腎動脈
IV 型:腹部大動脈、かつ/又は、腎動脈
V 型:IIb + IV 型(上行大動脈、大動脈弓及び
その分岐血管、胸部下行大動脈に加え、
腹部大動脈、かつ/又は、腎動脈)
I

IIa

IIb

III

IV

V

4.治療法
内科療法は血管炎症候群の診療ガイドラインを参考に治療する(注1)。炎症の抑制を目的として副腎
皮質ステロイド(初期量として 0.5~1mg/kg/日)が使われる用いられる。症状や検査所見のが安定が続け
ばすれば漸減を開始する。漸減中に、約7割が再燃するとの報告がある。この場合は、免疫抑制薬または
ステロイド抵抗性の症例、ステロイドの漸減に伴い再燃する症例、副作用への懸念からステロイドの早期減
量が必要な症例においては、IL-6 受容体阻害薬であるトシリズマブ皮下注(TCZ)、あるいはメトトレキサー
ト*を中心とした免疫抑制薬の併用を検討する。また、動脈の狭窄・拡張病変を有する場合は血栓性合併
症を生じる可能性があるため、抗血小板剤血小板薬、抗凝固剤凝固薬が併用される。外科療法外科的治
療は特定の血管病変に起因する虚血症状が明らかで、内科的治療が困難と考えられる症例に適用される。
炎症が沈静化してからの手術が望ましい。外科的治療の対象になる症例は全体の約 20%である。脳乏血
症状に対する頸動脈再建が行われる。急性期におけるステント再建術が行われる。大動脈弁閉鎖不全症
に対しては、大動脈弁置換術が行われる。大動脈瘤に対しては、ステントグラフト内挿術による血管内治療
や人工血管置換術が行われる。急性期におけるステントグラフトを用いる血管内治療は高率に再狭窄を発
症し成績は不良である。
また、大動脈縮窄症、腎血管性高血圧に対する血行再建術は、1)薬剤により有効な降圧が得られなくな
った場合、2)降圧療法によって腎機能低下が生じる場合、3)うっ血性心不全を来した場合、4)両側腎動
脈狭窄の場合である。いずれも緊急の場合を除いて、充分に炎症が消失してから外科手術外科的治療又
は血管内治療を行うことが望まれる。
*2021 年現在保険適用外であることに留意する。
注1:治療内容を検討する際には、最新の診療ガイドラインを参考にすること。
5.予後
MRI や、CT、18FDG-PET/PET-CT による検査の普及は本症の早期発見・早期治療を可能とし、治療も
早期に行われるため予後が著しく改善しており、された。多くの症例で長期の生存が可能になり QOL も向
上してきている。血管狭窄を来す以前に診断されることも多くなった。予後を決定するもっとも重要な病変は、
腎動脈狭窄や大動脈縮窄症による高血圧、大動脈弁閉鎖不全によるうっ血性心不全、心筋梗塞、解離性