参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1038 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群の診断は、(I)脈管奇形診断基準に加えて、後述する(II)細分類診断
基準にてクリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群と診断されたものを対象とする。鑑別疾患は除外する。
(I)脈管奇形(血管奇形及びリンパ管奇形)診断基準
軟部・体表などの血管あるいはリンパ管の異常な拡張・吻合・集簇など、構造の異常から成る病変で、理学
的所見、画像診断あるいは病理組織にてこれを認めるもの。
本疾患には静脈奇形(海綿状血管腫)、動静脈奇形、リンパ管奇形(リンパ管腫)、リンパ管腫症・ゴーハム
病、毛細血管奇形(単純性血管腫・ポートワイン母斑)及び混合型脈管奇形(混合型血管奇形)が含まれる。
鑑別診断
1.血管あるいはリンパ管を構成する細胞等に腫瘍性の増殖がある疾患
例)乳児血管腫(イチゴ状血管腫)、血管肉腫など
2.明らかな後天性病変
例)一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫、外傷性・医原性動静脈瘻、動脈瘤など
(II)細分類
クリッペル・トレノネー・ウェーバー症候群診断基準
四肢のうち少なくとも一肢のほぼ全域にわたる混合型脈管奇形と片側肥大症を合併するもの。
必須所見
1. 四肢のうち少なくとも一肢のほぼ全域にわたる混合型脈管奇形。
2. 混合型脈管奇形の同肢又は対側肢の骨軟部組織の片側肥大症。
3. 皮膚の毛細血管奇形のみが明瞭で、深部の脈管奇形が検査(画像又は病理)上不明であるものは除
外。
4. 深部の脈管奇形により四肢が単純に太くなっているものは対象から除外。
5. 明らかな後天性病変(一次性静脈瘤、二次性リンパ浮腫)は対象から除外。
参考事項
1. 毛細血管奇形、静脈の異常(二次性静脈瘤を含む)、一肢の骨・軟部組織の片側肥大が古典的三徴で
あるが、静脈異常は小児期には明らかでないことが多い。
2. 片側肥大はほとんどが脈管奇形と同側に生じるが、まれに対側に生じる。
3. 合指(趾)症や巨指(趾)症などの指趾形成異常を合併することがある。
4. 混合型脈管奇形とは、静脈奇形、動静脈奇形、リンパ管奇形、毛細血管奇形の2つ以上の脈管奇形が
同一部位に混在合併するもの。
5. 動静脈奇形の診断は四肢巨大動静脈奇形診断基準参照。
6. 静脈奇形の診断は以下により得られる。
画像検査上病変を確認することは必須である。1の画像検査所見のみでは質的診断が困難な場合、
2あるいは3を加えて診断される。
1.画像検査所見
超音波検査、MRI 検査、血管造影検査(直接穿刺造影あるいは静脈造影)、造影 CT のいずれかで、
拡張又は集簇した分葉状、海綿状あるいは静脈瘤状の静脈性血管腔を有する病変を認める。内部に