参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (98 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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対症療法は、基本的に、各臓器症状に応じて適切に行われる必要があり、患者の全身状態を改善させ
るために極めてきわめて重要である。糖尿病を合併した場合には、血糖降下剤やインシュリンの投与が必
要になる。てんかんを合併した場合には、抗てんかん剤の投与が必要になるであろう。また、心伝導障害に
対するペースメーカー移植や難聴に対する補聴器や人工内耳の使用をはじめ、極度の下痢や便秘、貧血
や汎血球減少症(Pearson 症候群)なども対症療法が重要である。
各臓器症状への対症療法は、それぞれの専門医へのコンサルトが必要になるであろう。
ミトコンドリア内の代謝経路では、各種のビタミンが補酵素として働いてはたらいており、その補充は理
にかなっている。実際は、水溶性ビタミン類(ナイアシン、B1、B2B1、B2、リポ酸など)が用いられる。コエン
ザイム Q10Q10 の効果は明らかではないが、使用することが多い。また、MELAS の卒中様症状の軽減と予
防を目的に L-アルギニンの臨床試験が行われたが、その結果は公表されていない。ミトコンドリア病患者
の治療薬として薬効を科学的に証明する臨床試験に至った薬剤は、我が国ではアルギニンが最初であり、
今後もこのような臨床試験を進めていくことが肝要であるまた MELAS の脳卒中様発作の軽減を目的に、タ
ウリン大量療法が令和元年2月に保険適用とされた。
5.予後
ミトコンドリア病の臨床経過は症例によって差が大きい。中心的な臓器(脳、心臓、腎臓など)の症状の
程度以外に、合併している他の臓器症状の多さや程度も大きく影響する。一般的な予後については、現状
の様子と経過をみながら判定することになる。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(平成 24 令和元年度医療受給者証保持者数)
1,087452 人
2.発病の機構
不明(遺伝子異常関連する遺伝子が 200 個以上報告されているが発症機序は明確でない)
3.効果的な治療方法
なし(根治治療なし。未確立(対症療法のみである)
4.長期の療養
必要(多彩な臓器症状などあり。)
5.診断基準
あり(研究班作成の診断基準)
6.重症度分類
中等症以上を対象とする。
○ 情報提供元
「ミトコンドリア病、レット症候群の診断と治療に関する調査研究班」
研究代表者 国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第二部 部長 後藤 雄一