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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1116 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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を継続する必要がある。肺移植や肝移植が必要となる場合が多い。
2)2011 年以降、欧米で大きな治療効果があった3剤、高力価の消化酵素薬、気道内の膿性粘液を分解す
るドルナーゼアルファ吸入液、トブラマイシンの吸入薬により、予後の改善が期待されている。
3)胎便性イレウスに対しては、高浸透圧性造影剤の浣腸が行われるが、手術が必要となる場合も多い。
4)呼吸器症状の治療は、肺呼吸理学療法(体位ドレナージ、タッピング)、去痰薬、気管支拡張薬の組み合
わせにより喀痰の排出を促進させ、呼吸器感染を早期に診断し適切な抗菌薬を使うことが基本である。
ドルナーゼアルファは、気道内の膿性粘液中の DNA を分解することにより喀痰を排出し易くする。高張
食塩水(6~7%)の吸入も喀痰を排出し易くする。緑膿菌感染を早期に検出し、早期に治療することが
大切である。
5)膵外分泌不全には膵酵素補充療法を行う。気道の慢性感染症と咳そうによる消耗が加わって、栄養不
良となることが多い。充分な量の消化酵素製剤を補充して、健常な子供よりも 30~50%多いカロリーを
摂る必要がある。栄養状態が良好になると肺呼吸機能が改善する。
6)最近、ヨーロッパ人に多い一部の遺伝子変異について、根本的な治療薬が開発され治療効果があると
報告されている。しかし、日本人の遺伝子変異はヨーロッパ人とは異なるので、治療薬開発のために研
究班として遺伝子解析と変異タンパクの機能解析を進めている。
5.予後
20142021 年 108月現在までに 95127 症例(男性 4662 例、女性 4965 例)のデータが蓄積されており、
平均生存期間の中央値は約 2024.0 年である。ただし、症例数の多い欧米で開発された治療法の発達・普
及により予後の改善が見込まれ、成人症例の増加が予想される。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数(令和元年度医療受給者証保持者数)
100 人未満
2. 発病の機構
不明(CFTR 遺伝子の変異が主な原因であるが、病態形成の機序に不明な部分が多い。)
3. 効果的な治療方法
未確立(対症療法のみである。)
4. 長期の療養
必要(進行性であり、生涯治療を継続する必要がある。)
5. 診断基準
あり(研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類
重症度 Stage 分類を用いて Stage-3-2以上を対象とする。
○ 情報提供元
「小児期・移行期を含む包括的対応を要する希少難治性肝胆膵疾患の調査研究嚢胞性線維症」

研究代表

者 東北近畿大学医学部 大学院医学系研究科 小児外科学分野 客員主任教授 竹山宜