参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (908 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
副甲状腺機能低下症は、副甲状腺ホルモン(parathyroid hormone:PTH)分泌低下による PTH 作用障
害から低カルシウム血症や高リン血症が惹起され、主に低カルシウム血症による症状が問題となる疾患で
ある。
2.原因
副甲状腺機能低下症の原因は、遺伝子異常、頸部手術後、肉芽腫性疾患、免疫異常など、多岐に渡
る。
3.症状
低カルシウム血症による口周囲や手足などのしびれ感・錯感覚、テタニー、喉頭痙攣、全身痙攣が問
題となる場合が多い。これに加え、白内障や大脳基底核の石灰化、抑うつ、不整脈、皮膚や毛髪の異常な
ど、多彩な症候を呈しうる。
4.治療法
テタニーや全身痙攣などに対しては、グルコン酸カルシウムの静脈投与が行われる。慢性期の治療に
は、血中カルシウム濃度を上昇させるために活性型ビタミン D3 製剤が主として使用される。これに加え、カ
ルシウム製剤が併用される場合がある。ただしこれらの治療は、病因に基づく治療法ではなく、高カルシウ
ム血症や高カルシウム尿症、腎石灰化や尿路結石、腎機能障害などの有害事象を惹起する場合がある。
5.予後
現状の治療により、血中カルシウム濃度を上昇させ、テタニーや全身痙攣を予防することはある程度可
能である。ただし、不規則な服薬や食事量低下によるカルシウム摂取量の減少などにより、症状が出現す
る場合がある。さらに上述のように、治療薬による有害事象が問題となる場合もある。