参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (278 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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性リンパ腫にもみられる非特異的な所見である。初発時、再燃時ともに血球貪食症候群また又はマクロフ
ァージ活性化症候群や播種性血管内凝固症候群(DIC)など予後不良な合併症がみられる発症する場合が
あり、注意が必要である。
その他の臨床像としては、 間質性肺炎、胸膜炎、心外膜炎が欧米症例で高頻度にみられ、本邦でも稀
でない。極めて稀に腎障害、肉芽腫性肝炎、急性肝不全、心内膜炎、麻痺性イレウス、末梢神経障害、顔
面神経麻痺、頭蓋内圧亢進、無菌性髄膜炎の報告がある。
検査所見としては、白血球の著明な上昇は特徴的である。CRP 上昇、血沈亢進、肝機能異常及び LDH
上昇、血清フェリチン上昇著増、血小板数の異常又は播種性血管内凝固症候群(DIC)増多などもみられる。
4.治療法
一般にステロイド治療に反応する良性疾患である。NSAIDs のみで寛解する例は少なく、ステロイド薬の
中等量から大量(プレドニゾロン相当 1mg/kg/日、分割内服)が用いられるが、必要用量と期間は、症例ご
とに異なるので一律のプロトコールは存在しない。初期量で熱性病態及び炎症反応(CRP)が消失すること
を目安に、減量を始め、維持量で管理する。
ステロイドで効果不十分な場合や減量困難な場合には、ステロイドに加えて保険適用のあるトシリズマブ
(抗 IL-6 受容体モノクローナル抗体)が小児スチル病の標準治療薬となり、成人例に使用した文献報告も
みられるや、以前から使用されている免疫抑制薬(メトトレキサート、シクロスポリン)などを使用する。
5.予後
良性疾患であるが、マクロファージ活性化症候群、DIC、前述の稀な合併症を生じたときは、重症化す
ることがある。いずれも活動期にみられる。ときに、炎症が持続してアミロイドーシスを生じる例、関節炎遷
延例がある。
○ 要件の判定に必要な事項
1.患者数(令和元年度医療受給者証保持者数)
約 4,8003,446 人(研究班による)
2.発病の機構
不明(病因は未定であり、有力候補はない。)
3.効果的な治療方法
未確立(根治療法なし。)
4.長期の療養
必要(合併症により重症化、炎症が持続する例がある。)
5.診断基準
あり(学会関与の診断基準等あり。)
6.重症度分類
研究班において作成されたものを用い、中等症以上を対象とする。