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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (129 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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<診断基準>
指定難病の対象となる病型は、全身性アミロイドーシスが対象。二次性の病態によるアミロイドーシスは対象外。
1. AL/AH アミロイドーシス(免疫グロブリン性アミロイドーシス、家族性アミロイドーシス及び老人性トランスサイレ
チン型(TTR)アミロイドーシスに限り、「Definite」例、「Probable」例を対象とする。)(多発性骨髄腫の診断基準に合
致続発するものは除く。)
2. ATTRwt アミロイドーシス(旧病名 senile systemic amyloidosis: SSA)(腱・靭帯のみに限局する病態は除く)
3. ATTRv アミロイドーシス(旧病名 familial amyloid polyneuropathy: FAP)
4. ATTRv 以外の遺伝性全身性
1.免疫グロブリン性、反応性AA及び老人性TTRアミロイドーシス
免疫グロブリン性、反応性AA及び老人性TTRアミロイドーシスは、臨床症状の類似点が多く、それのみでは
鑑別することが困難であるので1つの診断基準として作成している。

(1)概念
免疫グロブリンに由来する免疫グロブリン性アミロイドーシスは、旧分類の原発性アミロイドーシスの大
部分と骨髄腫に伴う(旧病名 FAP から独立、他の遺伝性全身性アミロイドーシスが含まれる。
反応性AAを追加、単一臓器に生じる限局性アミロイドーシスは除外)
※ ゲルソリン(GSN)、アポリポ蛋白(A-I (APOA1)、A-II (APOA2)、C-II (APOC2)、C-III (APOC3) )、リゾチ
ーム(LYZ)、フィブリノーゲン(FGA)、シスタチンC(CST3)、β2-ミクログロブリン(B2M)、プリオン蛋白
(PRNP)など

1.免疫グロブリン性続発性アミロイドーシスの大部分で、関節リウマチ、炎症性腸疾患、気管支拡張症、
結核などに続発する。
老人性TTR(AL/AH アミロイドーシスは、主として心臓、肺、手関節を代表とする大関節に沈着し、そのアミロイド蛋
白は野性型トランスサイレチンである。 )診断基準
(2)主要事項
まず免疫グロブリン性、反応性AA及び老人性TTRアミロイドーシスの可能性を思いつくこと、症状が多彩
であるため念頭にないことが多い。生検のみが生前確診の手段であるので、本症の可能性を考えつつ
生検して診断に至るべきである。骨髄腫および類縁疾患のときはもちろん、長期にわたる難治性炎症性
疾患(特に関節リウマチ)では必ず本疾患の可能性を考えてみることが必要である。
①主要症状および① 全身性 AL アミロイドーシス
疾患概念
AL アミロイドーシスは、モノクローナルな免疫グロブリン軽鎖由来のアミロイドが全身諸臓器に沈着して機能障害
を生じる病態である。沈着臓器は主として腎臓、心臓、肝臓、消化管、神経であるが、全身のどの臓器も障害され
うる。複数の臓器が障害されることもあれば、単一の臓器(心臓・腎臓・肝臓)のこともある。モノクローナル な免疫
グロブリン軽鎖は主として骨髄内の形質細胞から産生されると考えられるが、微量な場合は検出が困難なこともあ
る。一方、限局した局所にのみアミロイド沈着を認めることがあり、限局性アミロイドーシスと呼ばれ全身性と区別
される。多発性骨髄腫などの B 細胞性腫瘍に続発しないものを原発性 AL アミロイドーシス、多発性骨髄腫など
の B 細胞性腫瘍に伴うものを続発性 AL アミロイドーシスという。いずれも、モノクローナルな免疫グロブリンを産
生する細胞を標的とする治療が行われる。