参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (685 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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155 ランドウ・クレフナー症候群
○ 概要
1.概要
徐波睡眠期持続性棘徐波を示すてんかん性脳症は、焦点性発作ならびに一見全般性の発作(片側あ
るいは両側性の間代発作、強直間代発作、欠神発作)を生じ、徐波睡眠時に広汎性棘徐波が持続性に出
現し、知的・認知機能の退行の形をとる神経心理学的障害を伴うことが特徴である。関連症候群に、広汎
性棘徐波が優勢に出現する部位に対応して、聴覚性言語障害を主徴とするランドウ・クレフナー症候群が
ある。
2.原因
本疾患の 30~60%に神経放射線学的異常があり、多種の病変を認めるが、発病にかかわる機序は不
明。遺伝子については、現時点において、直接に本疾患との関連が明らかになった遺伝子はない。
3.症状
下記の発作と、運動・高次機能障害を認める。
1)臨床発作型
発作は、焦点性運動発作と、転倒につながることもある頻回の脱力あるいは強直性の要素をもつ非
定型欠神発作、陰性ミオクローヌス、焦点性非運動発作である。
2)運動障害・高次脳機能障害
発症前の神経心理学的機能と運動機能は、基礎疾患のない患者では正常が多い。しかし、徐波睡
眠時に広汎性棘徐波が持続性に出現後からは、IQ の著しい低下、言語障害、時間・空間の見当識障害、
行動変化(多動、攻撃性、衝動性)、注意力低下、意志疎通困難、学習障害、運動失調を含む運動障害、
構音障害、嚥下障害などがみられる。広汎性棘徐波が優勢に出現する部位に対応して、聴覚失認に基
づく聴覚性言語障害を主徴とするもの(ランドウ・クレフナー症候群)がある。
4.治療法
発作に対し、抗てんかん薬(バルプロ酸、ベンゾジアゼピン、エトスクシミンド)やホルモン剤をはじめ
種々の薬物が用いられる。各種治療に関わらず、脳波の徐波睡眠時の広汎性棘徐波が持続性の発現・持
続に伴って神経心理学的退行あるいは停滞がみられる。病変がある場合は外科的治療も考慮する。
5.予後
一部では、脳波改善後も、発作が稀発だが残存する。ただし、発作消失と脳波の改善がみられた患者
においても、運動・高次脳機能障害の予後は良くない。行動障害や知的レベルの低下、言語聴覚障害、運
動障害が残存することが多い。