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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1080 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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292 総排泄腔外反症
○ 概要
1.概要
総排泄腔外反症は、稀少難治性の先天性下腹壁形成異常で、臍帯ヘルニアの下方中心に外反した回
盲部が存在し、その両側に二分した膀胱が外反して存在する。鎖肛を合併し大腸は低形成で短く、内・外
性器異常、恥骨離開を有し、多くは腎奇形、仙骨奇形、下肢奇形、染色体異常、脊髄髄膜瘤なども合併す
る。生後から何回もの外科治療と長期入院が必要であるが、適切な治療方針には不明な部分が多い。女
性の場合、内性器は双角に分離し子宮腟子宮・腟形成が必要で、男児男性では、陰核陰茎形成不全のた
め女児女性として育てられている例もある。成長しても、外陰形成、腟形成、膀胱拡大術、腎不全による腎
移植の必要な例も多く、一生涯にわたるケアが必要である。
発生頻度 2014 年の全国集計では、出生 229 例が集計され、15~20 万人 20 万出生に1人とされ、の
割合で発生していた。性別では、若干女児に多い。平成 26 年の全国調査では、229 例が集計され、最近 30
年間の発生頻度は約 20 万の出生に 1 人であった。
2.原因
胎生4週に4つの皺襞が合わさって体壁が形成されるが、この時期に腹部から骨盤にかけての下腹壁
が形成されないために発生すると考えられ、腹壁が形成されないため回盲部の管腔形成が障害され、腸管
と膀胱が外反した状態になると考えられている。発生には、多因子が関与すると考えられ、ヒトにおける遺
伝子異常は明らかにされていない。疫学調査では、体外受精、喫煙、向精神薬服薬などが報告されている
が、明確な因果関係は不明である。
3.症状
臍帯ヘルニアを合併し、その下方に外反した膀胱と回盲部が存在する。鎖肛を合併し、外陰は形成不
全のため肉眼的に男女の区別が困難である。男児の場合は性腺を鼠径部に触知することが多い。恥骨離
開を伴っているため、下肢がやや外反した位置に存在する。外反している膀胱は機能が低下し、9割は排
尿のためにカテーテル管理が必要となる。排便機能に関しては、大腸人工肛門管理となるが、大腸が短く
仙骨神経機能不全を合併している約半数の症例では、肛門形成が不可能で永久人工肛門となる。肛門形
成がなされた場合でも、排便は浣腸管理となる。髄膜瘤のため、歩行障害も出現する。腎奇形や膀胱尿管
逆流により腎不全も長期的合併症として重要である。染色体男性で外陰形成不全のために女性として育児
された場合、精巣からの男性ホルモンで脳に男性として刷り込みがなされるため、精神的な葛藤の原因と
なる。男児として育てられた 2/3 は、男性としての性決定に満足している。
4.治療法
新生児期は、外反回盲部閉鎖、大腸人工肛門造設人工肛門造設、外反膀胱閉鎖、恥骨閉鎖を行い、
生後3か月から1歳半で、に外陰形成、肛門形成、膀胱形成、膀胱拡大術・導尿路形成などの手術がを施
行されることが多い。外陰部する。女性に痕跡でも外陰を有する場合おいて内性器は、二分され、適切な月