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参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (94 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html
出典情報 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》
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AMN及びでは、T2強調画像、FLAIR画像で高信号を呈しやすい。進行期には脊髄の萎縮性病変が観
察されることがある。小脳・脳幹型では錐体路、小脳、脊髄小脳聴覚伝導路などの脱髄を主体とする。活
動性の脱髄病変のある部位では、ガドリニウムにより造影効果を認める。
(3)神経生理学的検査
聴性脳幹誘発電位(ABR)では、I~III波間潜時が延長することが多い。体性感覚誘発電位(SEP)及び視
覚誘発電位(VEP)も異常を認めることが多い。末梢神経伝導検査も軽度低下を認めることがある。
(4)副腎機能検査
臨床的に無症状でも、ACTH高値やrapid ACTH試験で低反応を認めることがある。
(5)遺伝子解析

ABCD1遺伝子の変異は多彩で、病型と遺伝子変異には明らかな相関は認められていない。同一の変
異を有していても異なる臨床病型を示すことはよく経験される。
(6)病理所見
病理変化は中枢神経系と副腎であるので、生前の診断には役立たない。大脳白質の脱髄、グリオーシ
ス、血管周囲の炎症細胞浸潤が強いことも本疾患の特徴である。副腎では皮質細胞の膨化、進行期に
は著明な萎縮を認める。大脳白質脱髄病変のマクロファージ、副腎皮質細胞、末梢神経シュワン細胞に
松の葉様の層状構造物を認める。この構造物は極長鎖脂肪酸を有するコレステロールエステルを含む
ものと推定されている。
3.鑑別診断
(1)小児
注意欠陥多動障害、学習障害、心身症、視力障害、難聴、アジソン病、脳腫瘍、亜急性硬化性全脳炎

(SSPE)、他の白質ジストロフィー
(2)成人
家族性痙性対麻痺、多発性硬化症、精神病、認知症、脊髄小脳変性症、アジソン病、脳腫瘍、
悪性リンパ腫、他の白質ジストロフィー
4.診断のカテゴリー
Definiteとしては、下記①~④のいずれかに該当する症例とする。
①下記の(1)~(3)の項目全てを満たすもの(発症者)
②家族内に発症者又は保因者がおり、下記の(2)を満たす男児(発症前男性)
③下記の(1)と(3)を満たす女性で、家族内に発症者又は保因者がいる、あるいは極長鎖
脂肪酸高値やABCD1遺伝子変異をヘテロ接合で有する場合(女性発症者)
④ABCD1に病原性の遺伝子変異が同定された男性
(1)主要症状及び臨床所見で述べた項目(①~⑧)のうち少なくとも1つ以上該当がある。
(2)血漿、血清、赤血球膜のいずれかで極長鎖脂肪酸値が高値。
(3)頭部MRI、神経生理学的検査、副腎機能検査のいずれかで異常を認める。