参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (1127 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
ページ画像
プレーンテキスト
資料テキストはコンピュータによる自動処理で生成されており、完全に資料と一致しない場合があります。
テキストをコピーしてご利用いただく際は資料と付け合わせてご確認ください。
○ 概要
1.概要
若年(40 歳未満)で発症する両側性感音難聴をさす。従来から原因不明の感音難聴のうち、両側性に難
聴が進行する疾患を「特発性両側性感音難聴」としてきたが、老人性難聴との鑑別が必ずしも容易ではな
かった。そこで正確に鑑別診断が行えるよう年齢要件が加えられた。また遅発性難聴を引き起こす原因遺
伝子が同定されていること、既知の外的因子、例えば騒音、外傷、薬剤、急性ウイルス感染によるものは除
くという除外要件が加えられた。近年、遺伝子との関連が少しずつ明らかにされてきているが病態解明には
至っていない。後天的に発症、進行し両側重度難聴・ろうとなる例など様々な経過をとる。本疾患は言語発
達や教育のほか社会生活や日常生活に大きな支障を来す。また治療法が未確立であり長期的な療養を必
要とするため、本疾患の病態の解明や治療法の開発は重要な課題である。診断基準にもとづいた患者数
は多くない。
2.原因
若年発症型両側性感音難聴の病態は未だ不明であるが、最近の分子遺伝学の進歩により、さまざまな
遺伝子(ACTG1 遺伝子、CDH23 遺伝子、COCH 遺伝子、KCNQ4 遺伝子、TECTA 遺伝子、TMPRSS3 遺伝
子、WFS1 遺伝子、EYA4 遺伝子、MYO6 遺伝子、MYO15A 遺伝子、POU4F3 遺伝子など)の関与が明らか
になってきた。しかしながら発症機序に関しては必ずしも明らかになっていない。
3.症状
1)両側性の難聴
若年発症の両側性の感音難聴。難聴の程度は軽度から高度まで様々である。軽度、中等度難聴で発症し
その後進行し、両側重度難聴・ろうとなる例など様々な経過をとる。
2)随伴症状
難聴の進行に伴い耳鳴、めまいなどの随伴症状を合併する例も多く、生活の質を低下させたり、うつ状態を
招くことがある。
4.治療法
1)有効な治療法は確立されておらず、聴力に応じて補聴器あるいは人工内耳による補聴が対症的に行わ
れている。
2) 急激に進行した場合には急性感音難聴と同様に副腎皮質ステロイド、血管拡張薬、代謝賦活薬、ビタミン
製剤などが用いられているが、その効果に関するエビデンスはなく、現時点では有効な治療法は未確立
である。
5.予後
発症時期や程度、進行の有無は症例によって異なる。症状の改善は期待できないため長期の療養が必