参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (725 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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○ 概要
1.概要
エーラス・ダンロス症候群(Ehlers-Danlos syndrome:EDS)は、皮膚、関節、血管など全身的な結合組
織の脆弱性に基づく遺伝性疾患である。その原因と症状から、6つ 13 の主病型病型(古典型、関節型類古
典型、心臓弁型、血管型、後側彎型関節(過可動)型、多発関節弛緩型、皮膚脆弱型、後側彎型、脆弱角
膜症候群、脊椎異形成型、筋拘縮型、ミオパチー型、歯周型)に分類されており、全病型を合わせた推定頻
度は約1/5,000 人とされている。さらに、最近、難治性疾患克服研究事業研究班において見出し、疾患概
念を確立した「D4ST1 欠損に基づく EDS(DDEDS)」を含め、新たな病型が発見されている
病型
遺伝形式
原因遺伝子
頻度
古典型 EDS(Classical EDS; cEDS)
AD
COL5A1, COL5A2 等
1/20,000
類古典型 EDS(Classical-like EDS; clEDS)
AR
TNXB
稀
心臓弁型 EDS(Cardiac-valvular EDS; cvEDS)
AR
COL1A2
稀
血管型 EDS(Vascular EDS; vEDS)
AD
COL3A1 等
1/50,000
関節(過可動)型 EDS(Hypermobile EDS; hEDS)
AD
不明
1/5,000-20,000
多 発 関 節 弛 緩 型 EDS ( Arthrochalasia EDS;
AD
COL1A1, COL1A2
稀
皮膚脆弱型 EDS(Dermatosparaxis EDS; dEDS)
AR
ADAMTS2
稀
後側彎型 EDS(Kyphoscoliotic EDS; kEDS)
AR
PLOD1, FKBP14
稀
脆 弱 角 膜 症 候 群 ( Brittle cornea syndrome;
AR
ZNF469, PRDM5
稀
AR
B4GALT7,
aEDS)
BCS)
脊椎異形成型 EDS(Spondylodysplastic EDS;
SLC39A13
spEDS)
筋 拘 縮 型 EDS ( Musculocontractural EDS;
B3GALT6, 稀
CHST14, DSE
稀
AD, AR
COL12A1
稀
AD
C1R, C1S
稀
AR
mcEDS)
ミオパチー型 EDS(Myopathic EDS; mEDS)
歯周型 EDS(Periodontal EDS; pEDS)
表:2017 年に発表されたエーラス・ダンロス症候群(EDS)の国際分類・命名法。AD:常染色体顕性遺伝(優性遺
伝)、AR:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)。
2.原因
コラーゲン分子又はコラーゲン成熟過程に関与する酵素の遺伝子変異に基づく。古典型 EDS は V 型コ
ラーゲン遺伝子(COL5A1、COL5A2)遺伝子変異により、Ⅰ型コラーゲン遺伝子(COL1A1)、AEBP1 遺伝子
の変異により、類古典型 EDS はテネイシン遺伝子(TNXB)変異、心臓弁型 EDS はI型コラーゲン遺伝子
(COL1A2)変異、血管型 EDS は III 型コラーゲン遺伝子(COL3A1)遺伝子変異より、後側彎型 EDS はコラ
ーゲン修飾酵素リジルヒドロキシラーゼ(PLOD)遺伝子変異に変異より、多発関節弛緩型 EDS はI型コラー