参考資料3 診断基準等のアップデートの概要 (727 ページ)
出典
公開元URL | https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46002.html |
出典情報 | 厚生科学審議会・社会保障審議会(合同開催) 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会(第73回 11/26)社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会(第4回 11/26)(合同開催)《厚生労働省》 |
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患者は、小児期・若年成人期から生涯にわたり、進行性の結合組織脆弱性関連症状(皮膚・関節・血
管・内臓の脆弱性、疼痛など)を有し、QOL の低下を伴う。古典型 EDS では、反復性皮膚裂傷、全身関節
脱臼、疼痛により QOL が低下する。関節型 EDS では、時に進行性の全身関節弛緩による運動機能障害、
反復性脱臼、難治性疼痛、自律神経失調症、過敏性腸炎症状、慢性呼吸不全により、著しい QOL の低下
を伴う(車椅子、寝たきり)。血管型 EDS では、動脈解離・瘤・破裂を中心に、腸破裂、妊娠中の子宮破裂な
ど臓器破裂による若年成人死亡の危険性が高い。欧米の大規模調査では、20 歳までに 25%が、40 歳ま
でに 80%が生命に関わる重大な合併症を生じ、死亡年齢の中央値は 48 歳である。DDEDS 筋拘縮型 EDS
では、進行性全身骨格変形による運動機能障害・反復性巨大皮下血腫により著しい QOL の低下を伴う。
(車椅子、寝たきり)。
○ 要件の判定に必要な事項
1. 患者数(令和元年度医療受給者証保持者数)
約 20,000144 人
2. 発病の機構
不明(コラーゲン分子・修飾酵素の遺伝子変異によるが全貌は不明、関節型では原因遺伝子も不明。)
3. 効果的な治療方法
未確立(対症療法が中心である。)
4. 長期の療養
必要(全病型において進行性である。)
5. 診断基準
あり(国際専門者会議による診断基準及び研究班作成の診断基準あり。)
6. 重症度分類
1.小児例(18 歳未満)
小児慢性特定疾病の状態の程度に準ずる。
2.成人例
1)~34)のいずれかに該当する者を対象とする。
1)心疾患があり、薬物治療・手術によっても NYHA 分類で II 度以上に該当する場合。
2)(当該疾病が原因となる解離や梗塞などの)動脈合併症や消化管を含む臓器破裂を1回以上発
症した場合。
3)患者の手拳大以上の皮下血腫が年間5回以上出現した場合。(ただし、同じ場所に出現した皮下
血腫は一旦消失しないものについては1回と数えることとする。また、異所性に出現した場合に同
時発症の際は2回までカウント可とする。)。
4)modified Rankin Scale(mRS)、食事・栄養、呼吸のそれぞれの評価スケールを用いて、いずれか
が 3 以上を 対象とする。
○ 情報提供元
「エーラス・ダンロス症候群(主に血管型および新型)の実態把握および診療指針の確立」(EDS 班)
研究代表者 信州大学医学部附属病院遺伝子診療部 准教授 古庄知己
「デルマタン 4-O-硫酸基転移酵素-1 欠損に基づくエーラス・ダンロス症候群の病態解明と治療法の開発」