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令和6年版厚生労働白書 全体版 (109 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部



こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

2 章 こころの健康に関する取組みの現状

前章では、私たちのこころの健康を取り巻く様々なストレス要因と精神疾患の実態、そ
誰もが経験しうるライフイベントがこころの不調につながらないために、そして、ライ

本章では、こころの健康に関する取組みの現状について概観したい。第 1 節では、地域
や学校、そして職場などライフステージや分野ごとに取組みを整理し、第 2 節では、あら
ゆる世代に関わりのある社会全体を捉えた取組みとして、社会のデジタル化と、これらに
伴う孤独・孤立の深刻化への対応についてみていく。また、共生社会の実現に向け、障害
のある人が相対する社会的障壁を取り除く取組みや、障害の有無などにかかわらず、誰も
が安心して自分らしく暮らすことができる地域づくりなどについても取り上げる。

第1節

ライフステージごとの取組み

こころの健康に関する取組みの現状

めに、私たちの社会ではどのような取組みが行われているのだろうか。

2



フステージの全般にわたり存在しているこころの健康に対する様々なリスクに対処するた



して社会への影響などについて概観した。

1 地域や学校での取組み

本節では、前章第 1 節でみた様々なストレス要因について、主にライフステージの前期

にかけて、地域や学校において、どのような対策が図られているのかについてみていきた
い。

(1)産前産後や子育て期にある家庭への支援

(政府は、
「はじめの 100 か月の育ちビジョン」を策定した)
妊娠期から小学校 1 年生までの「はじめの 100 か月」は、生涯にわたるウェルビーイン
グ*1 の向上に向けて、特に重要である。一方で、児童虐待による死亡事例の約半数が 0~
2 歳であったり*2、就園していないこどもは家庭の状況によって周囲の人や環境と関わる
機会が左右されたりするなど、様々な課題がある。
このため、2023(令和 5)年 12 月、こども家庭庁を中心とした政府において、
「幼児
期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン(はじめの 100 か月の育ちビジョン)」を
新たに閣議決定した(図表 2-1-1)
。本ビジョンでは、こどもの権利を踏まえ、乳幼児の
安定した「アタッチメント(愛着)
」の形成と豊かな「遊びと体験」を保障することや、
こどもの誕生前から切れ目なく保護者・養育者のウェルビーイングと成長を支えること、
地域における専門職の連携等によってこどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増すこと
の重要性などを示している。
今後、国として本ビジョンを踏まえた施策を総合的に推進していくことで、すべてのこ
* 1 「はじめの 100 か月の育ちビジョン」では、
「ウェルビーイング」について、「身体的・精神的・社会的(バイオサイコソーシャル)に幸
せな状態にあることを指す。また、ウェルビーイングは、包括的な幸福として、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など生
涯にわたる持続的な幸福を含む」としている。
* 2 2023(令和 5)年 9 月にこども家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会が取りまとめた、「こ
ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第 19 次報告)」


令和 6 年版

厚生労働白書

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