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令和6年版厚生労働白書 全体版 (294 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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また、日本人ではない遺骨が収容された可能性が指摘されながら、適切な対応が行われ
なかった事例を受け、2020(令和 2)年 5 月には、
「戦没者遺骨収集事業及び事業実施体
制の抜本的な見直しについて」を厚生労働省において取りまとめ、遺骨収集事業のガバナ
ンスの強化等を図るとともに、収容・鑑定の在り方を見直し、科学的な所見への適切な対
応を行うこととした。
新型コロナウイルス感染症の影響により遺骨収集事業が計画どおり実施できなかったこ
とを踏まえ、2023(令和 5)年 6 月に遺骨収集推進法が改正され、集中実施期間が 2029
(令和 11)年度まで 5 年間延長された。この延長の趣旨を踏まえ、基本計画の改正を行い
(令和 5 年 7 月 28 日閣議決定)、政府が保有する埋葬等の情報に関し、集中実施期間の終
期である 2029 年度までに遺骨の有無の確認に関する現地調査を実施することなどを定め



3

た。
2023 年度は、「令和 5 年度における戦没者の遺骨収集事業実施計画」の下、現地情勢等
を踏まえつつ事業を実施し、516 柱相当の遺骨の DNA 鑑定用の検体を採取するとともに、

自立した生活の実現と暮らしの安心確保

139 柱の遺骨を収容した*8。
1 硫黄島及び沖縄における遺骨収集事業の実施
硫黄島では、戦没者約 2 万 1,900 人のうち約 1 万 1,200 柱の遺骨が未収容であることか
ら、政府一体となって遺骨収集に取り組んでおり、2013(平成 25)年 12 月に「硫黄島
に係る遺骨収集帰還推進に関する関係省庁会議」で決定された「硫黄島の滑走路地区等の
遺骨収集帰還に関する基本的方針」に基づき、2023 年度は、前年度に引き続き、滑走路
地区東側半面において面的なボーリングによる地下壕探査等を実施した。また、滑走路以
外の地域においても遺骨や壕等の存在が推測される地点の調査を継続して実施し、66 柱
の遺骨を収容した。
また、沖縄においても、沖縄県や民間団体等と協力して遺骨収集を実施しており、
2023 年度は 60 柱の遺骨を収容した。
2 旧ソ連・モンゴル地域における遺骨収集事業の実施
約 57 万 5,000 人が強制抑留され、劣悪な環境のもと、長期にわたり過酷な強制労働に
従事させられ、約 5 万 5,000 人(うちモンゴル約 2,000 人)が死亡した旧ソ連・モンゴル
地域については、「戦後強制抑留者に係る問題に関する特別措置法」
(平成 22 年法律第 45
号)に基づく「強制抑留の実態調査等に関する基本的な方針」
(平成 23 年 8 月 5 日閣議決
定)を踏まえ、関係省庁と連携し、民間団体等の協力も得ながら遺骨収集を進めており、
2023 年度は、カザフスタンにおいて 13 柱の遺骨を収容した。
2015(平成 27)年 4 月には、ロシア連邦政府等から提供された抑留者に関する資料の
全てについて、資料の概要と主な記載事項などを公表した。さらに、同月以降、提供資料
のうち、死亡者に関する資料については、カナ氏名、死亡年月日などを公表し、日本側資
料と照合の結果、2023 年度に新たに身元を特定した 127 名(うちモンゴル 28 名)を含
む累計 40,966 名(うちモンゴル 1,500 名)の漢字氏名を厚生労働省ホームページに掲載
*8

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令和 6 年版

2020 年 5 月の「戦没者遺骨収集事業及び事業実施体制の抜本的な見直しについて」に基づき、まずは遺骨の検体を持ち帰り、鑑定結果
と遺留品等を踏まえ、日本人か否かの判定(所属集団判定)を実施し、日本人と判定された遺骨については、検体以外の部位も収容する
こととしている。

厚生労働白書