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令和6年版厚生労働白書 全体版 (223 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第2部

現下の政策課題への対応

事項として、施策を実施している。

4 ものづくり分野等での人材育成の推進


(1)ものづくり立国の推進

1 熟練技能者を活用した技能継承、技能尊重気運の醸成等

創設し、若年技能者が技能を向上させる、あるいは、若者が進んで技能者を目指す環境の
整備等に取り組んでいる。
本事業において、ものづくりに関して優れた技能や経験を有する熟練技能者を「ものづ
*16
として認定・登録するとともに、企業、業界団体、教育訓練機関に派
くりマイスター」

遣し、若年技能者等に対する実技指導等を実施した。
図表 1-3-2 「ものづくりマイスター」の実技指導の具体事例
実施職種:機械加工
実施回数:20 回
派遣先企業:泰興物産㈱(東京都立川市)
【企業概要】
プラスチック製品の製造販売を中心とした企業だが、近年、無給電で作動する IoT 電流センサの開発、製造、販売(大手建設会社の
工事にも採用)も行う新分野への展開に意欲的な企業。プラスチック製品の製造については、金型の内製化に努力しており、製造部門
は、若手従業員が多く、その育成が課題となっている。

働き方改革の推進などを通じた労働環境の整備など

組んできたところであるが、2013(平成 25)年度から若年技能者人材育成支援等事業を

1



若者のものづくり離れ・技能離れが見られる中、業界団体等を活用した技能継承に取り

指導対象:3名(19 歳~ 28 歳)
【指導概要】
・実施内容:マシニングセンタ<プログラミング、加工、精度確認>、平面研削盤<加
工条件の設定、六面研削加工>、型彫り放電加工機<機能と操作方法>、
ワイヤーカット放電加工機<加工基準の設定>、グラインダー<砥石交換
とバランス出し>、金型加工方法<加工手順、CAM ソフトの取扱い、3D
加工>
・目的:金型製作における機械加工技能者養成のため。
【丸田陽代表取締役社長からの声】
熟練技能を持ち、かつ、指導者としても経験の長いマイスターから丁寧な指導を受け
ることができた。複数回の実技指導をお願いできるので、一人ひとりに合わせて、じっ
くり指導してもらえた。自社内で実施でき、自社の機械特性に合わせた実践的な指導内
容が実務へ直結して、作業効率と製品品質が顕著に向上した。
写真:中央が、長野克己ものづくりマイスター
【長野克己ものづくりマイスターからの感想】
受講者の皆さんは、技能を高めることを通じて企業に貢献しようとする意識をしっかり持っているため、習得意欲が非常に強く感じ
られた。工業系の学校出身の人材が多く、切削加工の基礎理論は持っているが、現場経験が少ないため、加工上の問題解決が出来ない
ケースが多々あり、実務上のサポートも行った。金型製作の場合、ひとつの工程が終わったら、必ず寸法測定を行って次工程に進むこ
とが重要。測定機器の充実や設備の定期的なメンテナンスも必要。時代のニーズに即応していける企業へ発展すると感じられる会社で
す。若手の技能者が技能習得を通じて、更に企業の技術力の向上や業績へ繋がれば、ものづくりマイスターとして指導のやりがいを感
じる。

* 16 「ものづくりマイスター」を紹介したホームページ

https://monozukuri-meister.mhlw.go.jp/mm/mm/contents/home/

令和 6 年版

厚生労働白書

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