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令和6年版厚生労働白書 全体版 (112 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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(2018(平成 30)年 4 月から、高等学校の教科書に精神疾患について記載された)
また、2018(平成 30)年 3 月に高等学校の学習指導要領が改訂され、保健体育の「現
代社会と健康」に、新たに「精神疾患の予防と回復」の項目が盛り込まれた。こうしたこ



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とも踏まえ、高等学校の保健体育の教科書には、精神疾患の特徴と対処が記載されたとこ
ろであり、精神疾患の予防と回復には、身体の健康と同じく、運動、食事、休養及び睡眠
の調和のとれた生活の実践や、心身の不調に気づくことが重要であること、また、疾病の

こころの健康に関する取組みの現状

早期発見と社会的な対策が必要であることについて学びを深めることになった。
こうした学びにより、高校生が、精神疾患は誰もが罹患しうるものであり、適切な対処
により回復や生活の質の向上が可能であることなどに気づき、また、精神疾患への正しい
理解の普及により、専門家への相談や早期の治療などを受けやすい社会環境を整えること
の重要性や、偏見や差別の対象ではないことなどを理解できるようになることが期待され
ている。

(3)こども・若者の自殺対策


「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づき、
「こども・若者の自殺危機対応チーム」
の設置を推進している)
前章第 3 節でみたように、我が国において子ども・若者の自殺対策が喫緊の課題となっ
ている。
こどもの自殺対策においては、地方公共団体の果たす役割が非常に大きく、関係部局間
の連携に加え、学校、教育委員会、家庭、地域が連携して、地域全体でこどもたちを守る
仕組みを構築することが重要である。
こども家庭庁が中心となり、こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議において、
2023(令和 5)年 6 月に「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を取りまとめ、そのなか
で、こどもの自殺対策の柱のひとつとして、市町村等では対応が困難な場合に助言等を行
う多職種の専門家により構成される「こども・若者の自殺危機対応チーム」
(以下「危機
対応チーム」という。
)を全国に設置することが盛り込まれている。
設置対象は、都道府県・政令指定都市で、危機対応チームの事務局は、首長部局(自殺
対策担当)と教育委員会が緊密な連携を図りながら運営することが求められる。
厚生労働省では、危機対応チームの設置・運営について、地域自殺対策強化交付金によ
り都道府県・政令指定都市に対して 10/10 の補助(2024(令和 6)年度時点)を行うと
ともに、指定調査研究等法人*3 が危機対応チームの設置等に関する助言等の実務的支援を
行うこととしている。
また、
「こどもの自殺対策緊急強化プラン」では、警察や消防、学校や教育委員会、地
方公共団体等が保有する自殺に関する統計等を集約し、多角的な分析を行うための調査研
究を立ち上げ、EBPM(Evidence Based Policy Making:エビデンスに基づく政策立
案)の視点も踏まえ、こどもの自殺の実態解明に取り組むとともに、分析に当たっての課
題把握に取り組むこととしている。
* 3 「自殺対策の総合的かつ効果的な実施に資するための調査研究及びその成果の活用等の推進に関する法律」(令和元年法律第 32 号)第 4
条第 1 項に基づき、同法第 5 条に規定する業務(調査研究等業務)を行う者。令和 6 年 4 月現在、一般社団法人いのち支える自殺対策推
進センターが指定されている。

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令和 6 年版

厚生労働白書