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令和6年版厚生労働白書 全体版 (145 ページ)

公開元URL https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/kousei/23/index.html
出典情報 令和6年版厚生労働白書(8/27)《厚生労働省》
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第1部

こころの健康と向き合い、健やかに暮らすことのできる社会に

齢者の介護予防や健康づくりのための地域づくりとして厚生労働省が推進してきた地域包
括ケアシステムを活用し、精神障害のある人などが、安心して自分らしく地域で生活して
いくための仕組みとして、その構築を目指す「精神障害にも対応した地域包括ケアシステ
就業・生活支援センターの役割についても取り上げる。



ム」について紹介する。さらに、障害のある人が自立した職業生活をおくるための障害者



2

改正障害者差別解消法の施行

(2024(令和 6)年 4 月から、合理的配慮の提供が義務づけられた)
障害者差別解消法は、すべての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、
相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別
の解消を推進することを目的として、2016(平成 28)年 4 月に施行された。
同法は、障害者権利条約の理念である障害の「社会モデル」の考え方を踏まえている。
これは、障害者が日常生活や社会生活で受ける様々な制限は、心身の機能の障害のみに起
因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生じるものという
考え方である。

こころの健康に関する取組みの現状



こうした考え方を踏まえ、同法は、事業者に対し、不当な差別的取扱いの禁止のほか、
合理的配慮の提供に関する努力義務を設けており、2021(令和 3)年 6 月には、事業者
に対し合理的配慮の提供を義務づけること等を内容とする改正障害者差別解消法が公布さ
れ、2024(令和 6)年 4 月 1 日から施行されている(図表 2-2-6)。
合理的配慮*15 は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応
じて異なり、多様かつ個別性の高いものとされている。また、合理的配慮は、行政機関等
や事業者の事務・事業の目的・内容・機能に照らし、
・必要とされる範囲で本来の業務に付随するものに限られること
・障害がない人との比較において同等の機会の提供を受けるためのものであること
・事務・事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないこと
に留意する必要がある。合理的配慮の提供に当たっては、これらの点に留意した上で、障
害のある人が現に置かれている現状を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段や方法につ
いて、本人の意向を尊重しつつ、「過重な負担」の要素等も考慮し*16、代替措置の選択も
含め、双方の建設的対話による相互理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応が
なされる必要がある。

* 15 合理的配慮については、内閣府「令和 4 年度障害者施策の概況(令和 5 年版障害者白書)」(令和 5 年 6 月)第 1 章第 1 節を参考に記
述した。
* 16 「過重な負担」については、行政機関等や事業者において、個別の事案ごとに、事務・事業への影響の程度、実現可能性の程度、費
用・負担の程度、事務・事業規模、財政・財務状況といった要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すること
が必要とされている。

令和 6 年版

厚生労働白書

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